隊長自身が見本となれ

 
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主張
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隊長自身が見本となれ

2018年2月25日日曜日

日立市は茨城県北部に位置し、人口約18万人、当市消防本部の職員は294人で救急車は9台で運用しています。当市においても、ベテラン層の大量定年退職により経験の少ない若手職員が多く在籍しており、若手職員の育成が急務となっています。

新人救急隊員でも、私より知識が豊富で優秀な人はたくさんいます。ただ新人救急隊員とは経験の数が違います。現場活動は知識・スキルはもちろん大事ですが、経験がものをいう現場は非常に多いのです。経験から得たノウハウは一生の財産になる。そのために先輩救急隊員は自分たちが経験し学んだことを、後輩に伝える義務があります。

救急隊員の資格を取得し配属になった新人にとって、最初のチームとして同乗した先輩隊員がどんな活動をするかでその後の心構えが違って来ることを私たち先輩隊員は知るべきです。それは、最初に見て体験した活動が自分の基準になるからです。「このくらいなら自分でもできる」と思うか、「もっともっと勉強して自分の知識やスキルを向上させなければ付いていけない」と思うかです。チームの中でも特に大切なのは救急隊長です。隊長自身が見本となり、隊長の背中で新人隊員を引っ張れるようにならなければなりません。

見本となるためには必要なことは2つあります。まず、日ごろから訓練や自己研鑽に励むこと。次に何をするかより何のために活動をするのか理解していることです。つまり心構えと姿勢です、この2つがその姿を見ている隊員に目指すべき救急隊員像を強く印象づけることで、新人救急隊員や救急隊員への無言のメッセージとなります。

今年、社会復帰となった救急事案があり、出場したポンプ隊員、救急隊員に社会復帰の報告をしたときの安堵の表情を浮かべた隊員の顔が今でも忘れられません。隊員みんなが「命を救いたい」という気持ちで仕事をしているのだと、改めて感じさせられました。

その中でも私たち救急隊員は、いかなる活動の中でも生命をつなぐ最後の砦となるべく活動しなくてはなりません。私たちを必要としている人たちがいる限り、命の灯を消すことなく、家族の元に帰すため日々邁進していかなければなりません。

野口 勝弘(のぐちかつひろ) 日立市消防本部 46歳

消防士拝命 平成元年

救急隊員任命 平成16年

趣味    息子と一緒に遊ぶテレビゲーム

主張
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