症例5

 
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症例

症例5

提示:高橋 功明

紋別地区消防組合消防署興部支署


概要

1 覚知時間 14時38分

  • 通報内容は、44歳の女性からで
    • 中学生の子供がテレビゲームをしている最中に急に倒れたみたいで体が震え、瞳孔が開いた幹事で、話しかけると叫び声を上げ様子がおかしいとの119番通報です。

2 出動時間 14時39分

  • 現場までの距離は1.5km
  • 通報内容から、4・5年前に新聞などで報道された「光過敏性てんかん」ではないかと隊員と話をし、発作は治まっていると思うが、転倒による頭部外傷などの外傷に注意し、救急処置は、酸素吸入と話ながら現着しました。

3 現場到着14時41分

  • 現着時の傷病者の状態は
    • 自宅一階の玄関ホールに普段着姿で、左側臥位でおり、失禁(小)あり、嘔気なし。
    • 通報になったような、体の震えや叫び声を上げたりはありませんでした。
    • 表情はうつろで、意識状態は、氏名、年齢など聞いたことには答えるが、発語は不明瞭。
    • 発語が不明瞭(酔った人のような話し方)なので、呼気の臭いを嗅いだが、アルコール様の臭いはしませんでした。
    • 見当識障害なし。頭部打撲などの外傷なし。
    • 脈拍96回/分、血圧165mmHg(収縮期のみ)、SpO2 95%、瞳孔は4mmで左右差はありませんでしたが、眼球の彷徨が見られた。

主訴は頭痛

  • 家族に聞くと、テレビゲームをしている最中に突然倒れたらしいとのことですが、発症目撃者はありません。今までにこのような症状を起こしたことはないとのことでした。

4 現場出発 14時45分

  • 搬送中は、様態変化の観察。SpO2が95%あったので、酸素吸入はしていません。
  • 病院到着直前に発語がやや明瞭になりました。

5 病院到着 14時47分


Q1、現場で必要な観察

Q2、現場で必要なこと

Q3、搬送中の注意点

Q4、確定診断


Q1、現場で必要な観察

意識状態。外傷、他の中毒(シンナーやアルコール)。てんかんであっても通常は発作は治まっており、後睡眠に入っていることが多い。

Q2、現場で必要なこと

既往歴聴取が最も大切。

Q3、搬送中の注意点

てんかんの場合には再発作があり得るので、その場合には抑制が必要となる。ただし、初めから抑制する必要はてんかん重積発作の場合以外にはまずないといっていい。酸素吸入もSpO2が保たれているのなら必要ない。但し痙攣中は酸素消費量が増大するので酸素をした方が安全であろう。

Q4、確定診断

光過敏性てんかん。別頁に解説がある。


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