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用語解説木村 亨(きむら とおる)
富良野地区消防組合富良野消防署南富良野支署 |
(写真1)JPTECガイドラインの本 |
(1)JPTEC:ジェイピーテック。Japan(日本) Prehospital(病院前) Trauma(外傷、ケガ) Evaluation(評価) and(と) Care(手当)の略。日本救急医学会公認の病院前外傷観察・処置プログラムのこと。(写真1) |
(写真2)MCの図解 |
(2)MC:エムシー。medical(医学の) Control(管理・調整)の略。医学的観点から救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を保障することを指す。各地域にMC協議会がある。(写真2) |
(写真3)心肺蘇生もプロトコールの一つ |
(3)プロトコール:Protocol。あることを実行するために定められた手順を言う。日本語では「規定」。覚知から病院収容まであらゆることろにプロトコールがある。(写真3) |
(写真4)内因性疾患。心室細動確認後の除細動 |
(4)内因性:ないいんせい。外から与えられたものではなく、体内の条件によって起こることをいう。(写真4) |
(写真5)団塊世代。その世代の職員と若い職員での会議の様子 |
(5)団塊世代:だんかいせだい。昭和22-24年(1947-49年)ごろの第一次ベビーブーム時代に生まれた世代。他世代に比較して人数が多いことからいう。(写真5) |
(写真6)救急救命士 |
(6)救急救命士:きゅうきゅうきゅうめいし。救急患者に対し、病院到着前に、気道確保・除細動・輸液点滴などの高度な応急処置を行う専門職。平成3年(1991年)公布の救急救命士法に基づく制度。(写真6) |
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(7)消防法の改正:しょぼうほうかいせい。救急業務を消防の任務に追加して消防法第2条第9項の定義規定が設けられた。 |
(写真7)救急隊員の応急処置等の基準に含まれる血圧の測定 |
(8)救急隊員の応急処置等の基準:きゅうきゅうたいいいのおうきゅうしょちとうのきじゅん。救急隊員の資質向上のため教育訓練の充実を図り、応急処置の原則が示され、観察8項目、応急処置7項目の基準が制定された。(写真7) |
(写真8)応急処置などの範囲拡大に含まれる喉頭異物除去 |
(9)応急処置などの範囲拡大:おうきゅうしょちなどのはんいかくだい。告示に定める講習の修了者は救急隊員の行う応急処置等の範囲を意識、呼吸、循環の障害にに対する処置と、血圧の保持に関する処置並びに骨折に対する。処置に拡大した。拡大9項目ともいう。(写真8) |
(写真9)救急標準課程で実施可能な呼吸音の聴取 |
(10)救急標準課程:きゅうきゅうひょうじゅんかてい。応急処置等に必要な課程を含むものであって、新しく救急隊員の資格を取得しようとする者を対象とするものであり、「救急I課程」及び「救急II課程」を合わせたものに相当するものである。最近は救急科とも言う。(写真9) |
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(11)救急救命士法:きゅうきゅうきゅうめいしほう。救急救命士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。生命が危険な状態にある傷病者が病院又は診療所に搬送されるまでの間に、当該重度傷病者に対し行われる気道の確保、心拍の回復その他の処置であって、当該重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、又はその生命の危険を回避するために制定された法律。 |
(写真10)心肺停止状態 |
(12)心肺停止:しんぱいていし。心機能停止かつ肺機能停止の状態。(写真10) |
(写真11)高度な応急処置。正中静脈路確保 |
(13)高度な応急処置:こうどなおうきゅうしょち。点滴・除細動・気管挿管の「救命3点セット」と呼ばれるものである。(写真11) |
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(14)包括的指示:ほうかつしじ。医師の具体的指示を必要とする救急救命処置から除外し事前指示としたものである。 |
(写真12)除細動。VF波形から洞調律波形へ |
(15)除細動:じょさいどう。心臓の細動を取り除くという意味。(写真12) |
(写真13)気管挿管。喉頭展開 チューブを手渡す所 |
(16)気管挿管:きかんそうかん。気管内挿管ともいう。心肺停止の傷病者の肺に空気を送り込むため口から気管にチューブを差し込む処置のこと。(写真13) |
(写真14)薬剤投与 |
(17)薬剤投与:やくざいとうよ。止まった心臓を再び動かすには、専用の薬剤を注射することがとても効果的と言われている。これを薬剤投与と言う。現在認定救急救命士はエピネフリンの薬剤のみ使用が認められている。(写真14) |
(写真15)AED |
(18)AED:えーいーでぃー。Automated(自動) External(外の) Defibrillator(細かい動きを取る)の略。自動体外式除細動器は心臓の突然の停止の際に電気ショックを与え(電気的除細動)、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器。(写真15) |
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(19)高規格救急車:こうきかくきゅうきゅうしゃ。高度応急処置を行うに必要な構造及び設備を有するもの。車内空間、室内高、暖衝装置などについて一定の望ましい規格が示されている。救急救命士の救命処置に必要な資器材のほか、従来型に比べ排気量が大きく、室内の高さが1.8mあり、救急隊員が立ったまま処置が行え、またベッドがスライドするので傷病者の左右から処置行えるような設備になっている。(図4) |
(写真16)心臓マッサージ |
(20)心臓マッサージ:しんぞうまっさーじ。乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中を圧迫する行為。1分間に100回のリズムで胸骨を圧迫する。ガイドライン2005からは胸骨圧迫と呼び名が改められた。(写真16) |
(写真17)バックマスク |
(21)バックマスク:Bag Mask。ふいご状のバックとマスクが、一方向弁で繋がれたもので、これ自体は人工呼吸の道具を指すが、この道具を用いた人工呼吸手技を指すこともある。一方向弁がついているものをバックバルブマスク(BVM)と言うこともある。(写真17) |
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(22)心肺蘇生法:しんぱいそせいほう。気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫心臓マッサージなどの一次救命処置(BLS)と医療器具や薬品使用する二次救命処置(ACLS)に分けられる。 |
(写真18)安全管理二次災害の防止。現場写真 |
(23)安全管理:あんぜんかんり。二次災害の絶無、危険や障害の排除もしくは防止処置、各種装備し事故防止に救急隊員個々が十分注意すること。(写真18) |
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(24)感染防止:かんせんぼうし。グローブ、マスク、グローブ、ガウンなど各種装備し、感染の危険から自分の身を守ること。また、感染に注意しながら現場活動することをいう。(図8) |
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(25)携行資機材:けいこうしきざい。救急現場において必要な用具または器具を救急現場へ持っていく資機材のこと。(図9) |
(写真19)ドクターヘリ。離陸の場面 |
(26)ドクターヘリ:Doctor Hericopter。救急救命処置を必要とする傷病者が発生した医療現場等に救急医療に精通した医師及び看護師を迅速に到達させ、可能な限り速やかに適切な救急処置が開始されるようにするために用いられる救急医療専用ヘリコプターのこと。(写真19) |
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(27)消防隊や救助隊との連携:しょうぼうたいやきゅうじょたいとのれんけい。有機的な連携を図り、感染防止まで配慮した安全管理に留意し傷病者管理にあたる。救出・搬送困難、安全確保等必要に応じて連携する。(図11) |
(写真20)状況評価 現着時の写真 |
(28)状況評価:じょうきょうひょうか。出動から現場到着し、傷病者へ接触するまでの間に確認すべき項目。感染防御、携行資機材の確認、現場の安全確認、傷病者数の把握、応援要請も要否、受傷機転の把握を指す。(写真20) |
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(29)意識、呼吸、循環の確認:いしき、こきゅう、じゅんかんのかくにん。呼びかけの有無、呼吸の有無、息・咳・動き(体動)の有無を確認すること。(図13) |
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(30)観察:かんさつ。救急現場周囲の状況を観察する環境観察と、傷病者自身に身体所見を観察する傷病者観察があり、この2つができて初めて安全かつ適切な現場活動が可能となる。 |
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(31)心肺停止状態:しんぱいていしじょうたい。文字どおり心臓の機能と呼吸が停止している状態をいう。 |
(写真21)最新ガイドライン。ガイドライン2005 |
(32)最新ガイドライン:さいしんがいどらいん。ガイドライン2005および日本版救急蘇生ガイドラインを踏まえた各種プロトコールの見直したもの。(写真21) |
(写真22)体位変換 |
(33)体位変換:たいいへんかん。傷病者の苦痛の軽減、症状の悪化の防止を図り、受傷部位や症状を考慮した体位にすること。また、搬送する場合に継続して処置できる体位とする必要がある。(写真22) |
(写真22)ストレッチャー |
(34)ストレッチャー:Strecher。傷病者を救急現場から救急車へ、救急車から医療機関等に収容する場合に使用するもの。(写真23) |
(写真24)特定行為の許可を得るため医師に連絡しているところ |
(35)特定行為:とくていこうい。除細動・気管挿管等の気道確保・静脈路確保(点滴)・薬剤(アドレナリン)投与を傷病者に対して実施すること。(写真24) |
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