090509不機嫌な職場
評者)うりぼう
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著者)高橋克徳、河合太介、永田稔、渡部幹
講談社現代新書
¥720+税
★★★☆☆3点
本書の冒頭で著者らはこう指摘している。「ギスギスした職場」が増えていると。それは、一人ひとりが利己的で、断絶的で、冷めた関係性が蔓延している職場であると。そして、職務(業務)の専門性の深化が、組織力の低下をもたらしてしまったと主張する。
本書の第一章及び第二章で呈示される現状認識とその原因分析には、確かに頷けるところが多い。また、このような問題を理解するための基礎的な概念について、社会心理学の観点から考察する第三章を読むことによって読者の理解はより深まるであろう。
本書において論じられていることは「なぜ社員同士で協力できないのか」ということである。この問いに対して、第四章では協力し合う組織に学ぶというテーマでグーグル(Google)などの企業における具体的な取り組みを紹介し、これらの事例を踏まえて、第五章で問題解決の方法論について言及している。本書が繰り返し訴える「個人間のつながり」の重要性は、当たり前のことであり目新しさは無い。「幸せに働ける職場」それは、互いに認め合い、感謝する気持ちを伝え合える職場である。本書はそのことを、改めて私たちに気づかせる一冊と言えよう。
http://ops.umin.ac.jp/
10.5.16/5:49 PM
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