170910上見崇(斜里消防)情熱を持ち続けるために

 
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主張

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170910上見崇(斜里消防)情熱を持ち続けるために

斜里(しゃり)地区消防組合消防署

・上見崇(うえみたかし)

・階級もしくは役職   司令補

・出身地         北見市

・消防士拝命年     平成8年

・救命士合格年     平成7年

・趣味           釣り

皆さんは、情熱を削がれるようなことや周りに流されてしまい仕事への情熱が冷めてしまった経験はありませんか。

私は、当組合初救命士のひとりとして、救命士運用開始から体制の構築を手掛け、救急に関する職場内での訓練「OJT(On-the-Job Training)」も担当しました。しかし適切な指導者がいない状況でまともな訓練などできるはずありません。実際、OJTと現場活動が結びつかず、訓練の効果はほぼ無く情熱を失いかけました。そんな私に、なおも包括除細動や気管挿管など最初の救命士処置拡大が迫ってきました。

最初の処置拡大の時期に私は、日常業務外での教育訓練「Off-JT(off the job training)」を知り、自分の知識とスキルの取得にとそれらに参加し始めました。Off-JTには地域や職域を超え広く活躍している方々がいて、スキルだけでなく教育方法についても丁寧に指導を受けられます。私はOFF-JTで得られた経験を元に、OJTの内容を変え職場の意識をも変えようと思い、OJTの中に少しずつOff-JTの要素を取り込みました。この変更を受け入れられるまでに抵抗が無かったとはいいませんが、Off-JTでの指導経験が功を奏したようで、自分なりの手応えを感じる成果を上げるようになりました。

当初私は職場の世界だけで体制を構築しようとしました。ですが狭い環境では新しい発想を生むことは非常に難しく、考え方に柔軟さを失ってしまい、情熱を持ち続けることは厳しいと思います。もし一時期には情熱やモチベーションを持てても、一人で維持していくには必ず限界がきます。Off-JTが万能とは言いませんが、少なくとも参加者は自ら望んでその場に集まっています。自発的に教えを受けることは大切で、さらに指導となるとその講習内容をより広く深く学ぶことにつながり、これが人に教えるということを学ぶ礎となります。Off-JTでは職種も年齢層も広いことが多く、コミュニケーションの奥深さを知ることができます。自分とは違う環境にいる人たちと出会うことで、同じ物事でも全く違う視点で考えることや視野を広げるチャンスになります。多業種とのつながりが自分を育て新しい発想を生みます。

今の私は、これから指導する側となる人達にその準備を手伝う立場となりました。私が彼らに求めるのは「思考と想像力」です。患者さんを評価するうえでそこに至るまでの背景や経緯・過程を知るだけでなく、自分たちが介入することで伴うリスクも考えながら活動しなければ、その先にある危険を予見することは難しいはずです。思考と想像力が、その危険を回避します。

最終目標は、組織の外に視野を広げている者を増やして、適切な組織体制をコントロールできる人が生まれ育つ環境を確保することです。職場では妥協が必要な時も当然ありますが、職場の外に同じ意識を持っている人達の仲間を持っていることは、次のチャレンジにつながって自発的に行動を生むきっかけになります。

モチベーションが発揮できる状況を持続的に作ることによって、組織は次につながる人材育成ができ活性化していきます。逆に、組織内しか知らずに言われるがままなすがままの状況が常態化してしまうと、各自の意識が下がってしまい責任を回避する態度に終始し、結果疲弊し衰退して情熱を持てる状況にはなりえません。

私は、救急救命士として約20年になりましたが、未だ情熱をもって仕事をしています。少なくとも自分自身が情熱を失わないうちに職場の外に目をむけている限り、貴重な芽をとらえることができ、自分も職場も変わることができるはずです。


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17.9.10/0:40 PM

主張
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