060418こころくばり・・・

 
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救急隊員日誌



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060418こころくばり・・・

作)メイ

 私は救いを求めている人と現場で接触する時に心がけていることがあります。
 身だしなみや言葉遣いです。
 過去にこんなことがありました。

 転院搬送で隣町の医療機関へ搬送途中、傷病者の表情がどうもすぐれません。バイタルサインは安定しています。
 「どうしましたか?痛みが強くなりましたか?吐きそうですか?」と声をかけますが、本人は、「大丈夫」と小声で答えてくれます。
 同乗している家族も顔色が悪く、声をかけましたが「大丈夫です」としかいいません。
 私はきっと車酔いをしているものだと思い念のため同乗されたご家族には、嘔吐用の袋を手渡しました。約1時間後、無事に転院先の医療機関へ搬送を完了しました。

 何ヶ月か経過し、ご夫婦そろってご丁寧にも私たちの元へ退院報告に訪れてくれました。元気な姿をみせていただけることは本当にうれしいものです。
 転院先の入院から現在の回復にいたるまでの経過を教えていただき、私たちもその中の一助として仕事ができたことをうれしく思えたくらいです。
 帰り際、お見送りのため消防署の玄関先に出ると奥さんから遠慮しがちに一言。
 さきほどまで、何度も言おうと思っていた事があるのですが。
 「実は、この前お世話になったとき、もう一人の隊員さんのタバコ臭い体臭と、コロンの香りがきつくてイヤだったんです。あれ、なんとかなりませんか?」と言われてしまいました。
 さらに、そのことが乗車中、私たちに申し訳なく言い出せなかったこと、転院先に到着して空気が変わりホッとしたとのこと。

 自分は、日頃からその同僚と一緒に勤務していたこともあり、その臭いに慣れてしまっていたのです。
 私はなんでそんなことに気づいてあげられなかったのだろうと自分に腹ただしさを感じました。
 同僚には早速、そのことを伝え身だしなみには、気をつけてもらうことにしました。
 私も勤務前の夜には臭いの強い食べ物や飲み物を避けたり、執務服や下着は見た目汚れていなくても、多少の汗をかいた出動後には、替えれるように着替えを用意しました。
 確かにヒゲや指の爪が伸び、肩にフケが落ち、例えそんな隊員が一部であったとしても、体調のすぐれない人にとっては不快感を与えることでしょう。清潔感やきちんとした身だしなみに気を配らなければならないことは救急隊員として当然のことです。
 おかげで、朝と夜には洗顔、歯磨き、ひげ剃りが習慣になりました。
 最後に別れ際、一言言われちゃいました。
 「あっ!ポケットからはみ出てる携帯ストラップ・・・見た目良くないと思いますよ。」(^^ゞ


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