2001/11/23(Vol.85)号「医師と専門科」

 
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2001/11/23(Vol.85)号「医師と専門科」

医師と専門科

みなさんこんにちは。興部国保病院を離れこの四月から置戸赤十字病院で出張診療している玉川です。古いけど広い風呂と「興部進歩の会」のある興部に早く復帰したいなと思いつつ状況が許さず早くも7ヶ月が経ってしまいました。普段は旭川医大で病理学の研究をしていますが、もともとの専門は麻酔科です(ちなみにあの興○国保病院の院長も麻酔科出身です)。これから何回かにわたって、麻酔科とは何なのか、ペインクリニックとは何か、どうして麻酔科でも風邪の患者を診られるのか、お話をしていきます。

まずは良く聞かれる専門科の話から。医学部は大学に入学が決まったときから医師になることが決まっています(現在は他学部からの編入や社会人の入学も多くなってきました)。でも、決まっているのは医学部6年間でこれだけです。学生時代には将来どの科(内科や外科など)を選ぶか関係なしに全部の科の授業を受け、全部の科の卒業試験を受けて卒業します。医学部では卒業論文はありません。卒業してから医師国家試験があり、それに合格すると医師になります。大学の場合、初めから科を決めてその研修をする場合と、卒業後2年間に主だった科を回ってまんべんなく技術を身につける場合の2通りがあります。今は国の方針としてまんべんなく回って基本的な技術を身につけるようになってきましたが、私たちの時代は卒業以前に内科や外科といった専門を決めました。遅くても卒業半年前には皆どこの科に行こうかと考え始め、自分にあった所を探し回ったものです。地元の病院や大学に帰る人、今学んでいる大学の科の中から選ぶ人、さまざまです。自分で科を選ぶ人がほとんどでしたが、親の意向(開業医の子息の場合)で決める人もいましたし、酒に酔った勢いで決めた人もいました。医師免許を取ったからといってすぐ手術ができるわけではないので、自分が入る科にはどんな先輩がいて、どんなふうに教えられるのかが一番の関心事でした。医師免許があればどんな科でも自由に選べます。また、医師は病院だけではなく保健所や道庁、生命保険会社にも仕事があります。ですから医師になってから科を変える人は結構多くいます。私も大学では病理医としてガンの診断などを行っていますし、置戸では麻酔科としてペインクリニックのかたわら風邪や予防接種の患者を診ているのです。

次回は私の専門である麻酔科の仕事についてお話しします。

(置戸赤十字病院 麻酔科 玉川進)


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