140809貴重な経験
140809貴重な経験
作)田舎の消防士
消防大学校。日本の最先端で活躍する大都市の幹部が学んでいる場所で、田舎の小さな消防に勤めている自分には無縁の世界だと思っていました。
その消防大学校で講師をしている先生から、「○月○日に消防大学校で講義をするけど、見学してみるかい」と連絡がありました。これはまたとない大チャンス。これを逃したら一生行くことができないと思い、勤務を確認もせずに「行きます!」と即答しました。その後、日程を確認。ラッキーなことに授業を見学させてもらう日は非番の日です。なんてついているんだろう。上司に見学の話をすると「せっかくのチャンスだからしっかり見ておいで」と快くOKをもらいました。
定例の事例検討会が終わり、講師の先生と日時の確認をしていた時のこと。先生から突然「授業中に時間をあげるから、何か話してみなさい」言われました。「はい?」ビックリしたものの、すぐ「わかりました」と答えてしまいました。
何も考えないで返事をしてしまったものの、何をどう話そうか、ネタを考えるのに困りました。おまけに、話す相手は日本のエリートたち。事例の少ない我が町を考えるに「大丈夫か俺?」と後悔。話すのを断って、見学だけにすればよかったかなとも思い始めました。
でも当たって砕けろ。開きなおって「エリートたちが俺から何か学ぼうなんて思ってないだろう。よし、田舎消防の現状を話そう!」と決めました。早速スライドとシナリオを準備。話す内容が所属の現状で普段自分が行っていることを書くだけなのであっという間にでき上がりました。でも、こんなんで本当に大丈夫なのかな?、と不安でもありました。
大学校での講義当日を迎えました。初めに誘ってくれた先生の授業が始まりました。経験豊富な先生だけあって、授業の進め方がスムーズで、受講しているエリートたちを飽ささせません。さすがだなあと思いながら一緒に聴講していました。
そして自分が話す時間です。準備してきたスライドを使い、自己紹介、続いてうちの所属の現状、抱えている課題などを話しました。「まあ田舎消防の現状なんて興味ないだろう」と思いながら話していましたが、その予想に反してみなさんがじっと自分の話を聞いています。いや?、ここに来て良かった?!すごく嬉しくなってきました。
そして最後に「日本各地で活躍する消防は、組織の体制や装備の違いはあると思いますが、目指す目的は一緒だと思います。これからも、お互い頑張りましょう!」と結びました。すると授業を受けていたみなさんから大きな拍手です。
感動しました。この一言を言いたいがために、ここに来たのかなあと思いました。田舎消防に勤めていることを何となく引け目に感じていた自分が恥ずかしくなりました。
短い時間でしたが消防大学校の授業で話せたという経験が自分の大きな自信になりました。やってみたいと思っても中々出来ない貴重な経験をさせてもらいました。断らなくて本当によかった。ありがとうございました!
14.8.9/5:07 PM
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