2001/12/28(Vol.90)号「膝の痛み(3)」
膝の痛み(3)
膝の中にいい関節が残っていない場合には人工関節を入れるしかありません。膝の上下の骨を削り、金属でできた関節をはめ込みます。その手術はあたかも大工がほぞとほぞ穴から柱を組んでいくようで、使う道具もノコギリ、ペンチ、ヤスリ、金槌、釘、接着剤など、大工さんと同じようなものを使います。人工関節は年々進歩してきています。昔は寿命は20年といわれていましたが、20年経ったので入れ替えたという人は見たことがありません。関節の上下の金属もその間に挟むプラスチックもすり減らないものになり、手術自体も誰もが失敗なくできるよう、どんどん簡単になっています。人工関節を入れたら膝が曲がらなくなる・膝ががくがくして歩けなくなるという不安を良く聞きますが、もともと膝の曲がらない人が人工関節を入れるので、曲がりは変わらないようです。ガクガク感も器具の発達でほとんどないようです。この8月に手術をした人は「膝の痛みが全くなく、かえって曲がるようになった」と喜び、今まで行けなかった旅行をさっそく計画していると笑顔で話してくれました。
ただ、手術する場合は医師を選びましょう。どんなに道具が良くなっても使うのは人間です。同じ手術でも、医師によって手際もバイ菌の付く割合も術後の満足度も全く異なります。自分の膝を任せるのは評判のいい医師、それも医師仲間で評判のいい医師にするのが確実です。近所の評判、特に旭川や札幌などの遠い病院の評判は嘘が多いことも覚えていてください。
玉川 進(たまかわ すすむ)
旭川医科大学第一病理学講座
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