One Step Up 救急活動
第3回
メディカルラリーへ行こう!
Lecturer Profile of This Month
西岡 将文(にしおか まさふみ)
東十勝消防事務組合 幕別消防署
35才
幕別町出身
消防士拝命:平成4年4月
救命士資格:平成13年取得
趣味は野球(観戦) 料理
シリーズ構成
若松淳(わかまつ まこと)
胆振東部消防組合消防署安平支署
メディカルラリーへ行こう!
「第4回北海道メディカルラリーの紹介」~メディカルラリーから学ぶもの~
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Prehospitalからinhospitalに携わる者として共通していることは、そこにいる患者さんの状態を悪化させることなく処置し、適切な病院選定のもと根本治療を施し救命にあたることである。正に医療システムの連鎖が必要不可欠であり、prehospitalに携わる者とinhospitalに携わる者の一貫した認識が重要である。
ラリーはその重要性を強く私たちに与えてくれるコースである。
参加者の声を紹介しながらメディカルラリーを伝える。
「メディカルラリーとは」
What is “Medical Rally”?
メディカルラリーとは、プレホスピタルで起きている模擬現場へ赴き、医療チームがムラージュ(特殊メイク)をした模擬患者に対し診察・観察して限られた時間内にどのくらい的確に治療をすることができるかを競技するものです。競技形式は開催地により若干異なります。
「北海道メディカルラリーの紹介」
Introduction of Hokkaido Medical Rally
日本でのメディカルラリー開催は,2002年10月に行われた千里メディカルラリーが最初です。北海道では2005年7月に美瑛町で第1回目が開催され2006年7月に阿寒町、2007年7月に遠軽町、続いて今回2008年6月に第4回目が幕別町百年記念ホールを拠点に開催されました。
今回の北海道ラリーを具体的に紹介すると、医師・看護師・救命士等でチームを組み通報されてくる内容を聴取し、自ら現場を探します。現場には、事故災害現場等のあらゆる救急現場が待ち受けており、模擬患者がシナリオに沿って演技しますので、それに対応しトリアージ・止血・人工呼吸や薬剤投与等の処置を行わなくてはなりません。このような模擬現場(シナリオステーション)が7ヵ所用意され各チームは順番にステーションを回ります。ステーションごとに採点され総合得点を競います。また、これとは別にスペシャルステージ(SS)が1ヶ所用意され加点されます。今回参加チームは道内外合わせ14チームが出場しました。
「参加チームに同行取材」
A report of Tokachi Fighting
地元十勝チーム、十勝ファイティングに同行しました。
選手は緊張した表情で資器材の点検を行い受付場所でレギュレーションを受けます。(zu1)
その後間もなく受付に設置されている電話が鳴りました!「はい 十勝ファイティングです! どうしましたか?場所は? 傷病者は何名?どの様な事故ですか?」と聞きながらメモ用紙に聴取内容を記載していました。この時の内容は、また聞きの人が救急車を要請するよう頼まれ詳細が聴取できないものでした。メモを取りおよそ2分で聴取を終え出動しました。
(zu2)
車中では聴取内容を確認し、現場へ着くまでどのような方法で隊活動をするか入念な作戦を立てていたのが印象的でした。車中での役割分担もできてているようで助手席の人が地図を片手に運転手に指示していました。(zu3)
現場に到着すると、関係者が出迎え既に救助隊が現場到着しているところから競技は開始されました。(zu4)
「各シナリオステーションの紹介」
Introduction of scenario stations
第1ステーション
ホテル大平原駐車場で大型バスと軽乗用車の接触事故が発生!
負傷者は5名おり、トリアージスキルが必要でした。
事故発生原因は、バスの運転手の胸痛発作が原因であり、時間経過とともに容態が急変し早期除細動・高度気道確保・投薬等の処置が必要となりました。
前号のACL救急活動のトレーニングが生かされるステーションです。
外傷のみの思い込みだけではいけないというメッセージも裏にはあるのでしょう。
(zu5)
第2ステーション
保育園のレクレーションの救護者として依頼を受けた選手1名が先に保育園にやってきます。子供達のレクレーションなので、現場にある資機材は簡単な怪我の処置が出来る程度の物しかありません。現場に行くとすぐに施設の管理人夫婦の妻から「夫の具合が悪いんです!」と声をかけられます。患者はその後、心停止になります。近くにあったAEDで蘇生をするとともに、素早い緊急システムへの連絡をすることが重要になります。緊急システム要請後に待機していた選手3名の救急隊が出動可能となります。
うまく救命の連鎖を実行し質の高いCPRができるかどうか、また精神的に動揺している家族に対して適切な精神的ケアができるかどうかを評価するシナリオでした。
看護職の接遇は他職種にとって大変学習効果が高いと感じました(zu6.7)
第3ステーション
工場内の車両内で硫化水素自殺。関係者が知らずに車のドアを開放した際ガスが漏れ周りにいた8人が2次災害に遭います。
選手が到着した時には既に救助隊が現場到着しており現場の安全は確保されています。救助隊が救出してきた患者をトリアージし必要な処置を施す必要がありました。
患者の中には、乳児もおり、早期の気管内挿管が必要となるほか、緊張性気胸に対する脱気もスキルとして必要になりました。搬送順位の決定など判断も問われます。
どんどん運ばれてくる患者を評価しながら処置、そして搬送順位を判断していくのは至難の技!実際には体験したくないことですが起こりうる事だと痛感!(z8.9.10)
第4ステーション
河川敷でサイクリングをしていた夫婦の夫が突然転倒。妻が119番通報するが何故転んだのか等目撃はなく状況がのみ込めていない状況。
夫は、脳卒中により転倒したもので外傷も念頭に置きながら、脳卒中も疑い単科の病院選定ではなく外傷処置・tpa対応可能な病院選定判断を評価する内容でした。
正に前々号のPSLSとJPTECが生かされるステーションになりました。
この症例は実際に起こった事が背景にあったとか・・・(zu11)
第5ステーション
運送会社の車庫内でコンプレッサーが爆発した模様。要請は先着消防隊からの応援要請から始まりました。現場では既に現場本部が設置され消防隊も活動していました。
救急隊はトリアージを行い処置を開始、先着消防隊と現場本部との連携活動や情報共有スキルが重要となりました。負傷者は離れた場所に点在しており通常の救急活動では難を極めたようです。
災害現場においてのピットフォールは、各機関・各隊の情報共有のまずさが原因です。第5ステーションではそこに焦点を当てました。騒音や無線の混戦の中各隊いろいろな活動が拝見されました!
(zu12.13.14)
第6ステーション
一般住宅で起きた災害です。隣人が尋ねて来たところ玄関で卒倒しているおじいちゃんを発見し119番通報、入電では脳卒中を疑わす内容でありました。
しかし、救急隊が到着しおじいちゃんを観察すると脳卒中は否定され、ほのかにガスの臭いが・・・家には同居の家族が居るはずなのに呼んでも出てこない、隣人が家族の携帯に電話をすると何故か居間から呼鈴が鳴る! 家中を検索すると家族2人が台所、地下室にそれぞれ倒れていました。実は地下からのガス漏れが原因で長時間低濃度の都市ガスを吸入したことにより発症したものでありました。(zu15.16.17)
この事例も実際起こったことを背景に設定されました。
自己の安全、現場の安全、傷病者の安全-3safety考慮が印象的でした!
第7ステーション
コンビニで強盗事件が発生!犯人を追いかけた店員が刃物で刺されたとの通報から始まりました。救急隊が現場到着すると、通報内容とは異なり銃で撃たれたことが判明します。現場滞在時間、早期のファーストコールなど今何を優先し判断するかが重要となりました。また、車内収容のタイミングやどの程度処置を施すかが肝でした。
忘れた頃にやってくる銃創、自分だったらどうするか危機管理を強く考えさせられました!(zu18.19)
SSステージ(zu20)
選手5人全員が協力して競い合う救命リレーでした。
1走者がまずは風船の中にある問題を解き、おなじみのグルグルバットを実施後選手の1人にバックボード固定、ストレッチャー上でCPR2分間を実施しゴールするというチームワーク、個人スキルが要求されるものでした。
参加者へアンケート
Questionnair on participants
これから、ラリーに参加してみようかな!と考えているあなたに、今回参加した各職種の方々からの声を紹介します。
参加者総数70名 有効回答69名 救急隊員(救命士他救急隊資格で参加)36名 看護師20名 医師13名 (重複回答含む)
「ラリー参加の動機は何ですか?」
<医師>
・外傷に弱い自分を成長させるため
・経験することのない現場活動、災害の対応を経験するため
・自分が一度経験し後輩へ伝えるため
・災害医療を学ぶため
<看護師>
・現場活動を学ぶため
・地域医療の貢献のため
・自分の力量を試すため
<救急隊員他>
・救急技術の再確認
・スキルアップのため
・実体験ができるため
各職種において動機は様々であり、インホスピタルでは現場活動を理解し、災害医療を学ぶ目的が圧倒的に強く、プレホスピタルの救急隊員では現場活動の再確認や個人のスキルアップということが動機のようです。
「実際ラリーを体験して、ラリーの意義はどこにあると感じましたか?」
<医師>
・プレホスピタルの仕事を学べる。
・他職種の方々の役割内容が把握できる。
・自分のスキル・知識向上に大変役に立つ。
・地域交流ができるところ。
・自分の実力が試せるところ。
・同じ症例で自分以外の処置等の仕方を見学出来るところ。
・視野が広がるところ。
<看護師>
・すべてのシナリオにメッセージがあり、再勉強になるところ。
・自分はどの程度実力があり、何が不足しているか把握できるところ。
・アセスメント能力向上のための訓練ができる。
・自己判断力の訓練、リーダーシップ、メンバーシップの再確認ができる。
・チームワークの大切さを実感できる。
・他職種との交流が図れる
・普段意識すべきことを再確認体験できる。
<救急隊員等>
・他職種との連携の強化。
・多様な事案に対しての判断行動を確認出来ること。
・自己の力を発揮できるか試すことが出来るところ。
・自分の弱点を認識できるところ。
・実活動に活かせるところ。
・他職種の方とチームを組むことで視野が広がる。
・職場でなかなか出来ない規模想定を体験できるところ。
意義においても、職種で捉え方が異なるようです。
どの職種にとっても自分の普段の仕事に活かせるヒントがラリーには秘められている感があります。勉強する!自分を試す!チームワークの重要性を知る!と言ったところでしょうか。
「今回参加してみて、実際ラリーから得たものはありますか?」
<医師>
・上には上がいることを知った!
・他のチームを見て、判った事、解明された事が多々ありました。
・大きな視野の必要性が認識できた。
・チーム活動の重要性、有効性が解った。
・病院医師としての協力体制の必要性を感じた。
・冷静、迅速な判断活動が必要であることを学んだ。
<看護師>
・実際の場面で考えれず、行動できずという事を知りました。
・病院までの搬送中(限られた時間の中で)救急隊がいかに適切に対応しているかを知りました。
・安全管理の重要性、トリアージの要領を学びました。
・日々変化する救急技術を確認出来ました。
・情報収集の大切さ、伝達方法を知りました。
・情報の共有の大切さを知りました。
・NSとしての役割を知りました。
<救急隊員等>
・チームワークの大切さを知りました。
・集団災害での活動のヒントを得ました。
・状況評価の重要性を知りました。
・看護師さんの患者、家族接遇を知りました。
・他職種とチームを組むことで知識が広がりました。
各職種共通して言えることは、それぞれの役割や考え方を、お互い理解した上でチーム活動するかががいかに重要であるかを身をもって実感したようですね。
○隊員インタビュー
Voices of participants
「地元十勝から出場した、医師、看護師、救命士さんから 生の声を聞きました!
今後ラリーに参加してみたい!と考えるあなたへのメッセージ!」
医師 関 忍
JA北海道厚生連帯広厚生病院麻酔科(zu21)
私は医療に従事して4年目になります。救急は今年4月から初めて携わりました。経験がないこともあり、患者が病院に到着してからの状況しか目に入らず、救急隊の状況報告もきちんと聞いている余裕さえありませんでした。今回救急に慣れることと、十勝管内の救命士さんや看護師さんと知り合い、より仕事を円滑に進めていくことを目標に上司から勧められてラリーに参加しました。
練習に参加してみて、驚きました。本当に全然ついていけなかったです。短時間しか許されない中で、あれほど状況把握・処置を迅速に行っていたなんて、教科書などでは読んでいましたが、すごい。と思いました。結局ラリー当日まで多少はついていけるようになったとは思うのですが、常に足を引っ張り続けてしまったと思っています。
さらにラリーに参加してみて、自分が病院で患者を待ちうけ、原因検索を行い、指示を出すという最低限のことしか考えていなかったことを痛感しました。救命士さんも看護師さんもお互いに協力し合い、助言や励ましのなんとうまいことか…。そして家族や関係者に対する姿勢…感動しました。
将来自分がラリーで経験したような症例に病院外で対応することは、なかなかないことだと思います。でも、病院で電話対応をする際、救命士さんから何をどこまで知ることができるのか、看護士さんがいかにサポートしていただいているのか、いろいろな面で学ぶことができました。本当に感謝しています。
ちなみに、ラリー後も楽しく集まることができたりして、仕事以外でも知り合いになれたことも良かったと思っています。本当にいい経験になりました。チームメンバー含め、準備していただいたスタッフの方々に心から感謝しております。
看護師 吉田 麻美
JA北海道厚生連帯広厚生病院 救命救急センター(zu22)
今回、私は十勝幕別町で開催されたメディカルラリーに参加させて頂き、様々な学びと大切な仲間を得ることができました。
日頃、病院内で患者を受け入れる側の私にとって、現場での活動がどれだけ大変か漠然としたイメージしかありませんでしたが、マンションや路上、工場などの様々な場所で情報がないまま傷病者に接触し、限られた資器材を最大限に活用しながら、刻々と変化する傷病者の状態把握と的確な処置をしなければならない救急隊の活動を身をもって理解することができました。限られた人数と時間の中、傷病者の観察・処置や家族へのフォローをしつつ、アセスメントする上での情報収集をして頂くことで、私たちは病院搬入前に状況に合わせた準備をすることができ、患者の救命につなげられているのだと思いました。
今回、硫化水素やバスと乗用車の衝突事故、爆破事故でのトリアージのシナリオも体験することができました。コマンダーのリーダーシップやチームワークがとれず、もたもたしていると傷病者は死に、焦って周りが見えないと隠れている傷病者を見落としてしまい、必要とされる観察・処置ができなくなるシナリオが多く、状況を冷静に観察し情報を手際よく収集し判断する能力が救急現場では必要不可欠であり、チームワークが大切であることを実感しました。私のチームは、幕別消防の千葉さん、坂本さん、帯広消防の岡本さん、厚生麻酔科の関先生と、全員初参加でしたが、練習を重ねる中で仲間意識が高まり、当日は楽しみながら良いチームワークを発揮できたと思います。
トリアージでのコマンダー役は、日頃のリーダーに当てはまります。大勢の患者の状況を把握し、患者の状態に応じて優先順位を判断しながらスタッフに指示し、患者の安全安楽かつ安心を図る必要があります。しかし、次から次へとやってきて状態変化や処置が加わる中で、リーダーだけでは患者全ての状況把握は困難な場合があります。リーダーシップ、メンバーシップを発揮し、医師と連携しながらの密な報・連・相の重要性を再確認することができました。
看護師として傷病者接触しBLSと家族へのメンタル面でのフォローをするシナリオでは、日頃行なっている看護の重要性の再確認もでき、モチベーションの向上へとつながりました。
医師や救急隊との良い情報交換の場ともなり、救助活動を共通理解することで災害時にも役立ち、地域医療へとつながる機会となりました。今後更なる円滑な連携を図り、より多くの患者の救命につなげられるよう努力していきたいです。
(スタッフの皆様、貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。)
救命士 千葉 勝博
東十勝消防事務組合 幕別消防署忠類支署(zu23)
先日、メディカルラリーに初参加しました。
今まではJPTEC・ICLS等の講習会に参加はしてきましたが、個人のスキルを高めるといった内容がほとんどでした。
しかしラリーはチームとしての行動が非常に重要で他の失敗は周りがフォローしたり、目の前の傷病者をいかに助けるかを待ったなしの現状でしなければなりません。
当然失敗は多々ありましたが、想定が終わってからも次の想定にむけてチーム内で話しあったり、互いの健闘を称えあう事が出来ました。それを通して仲間としての意識が強く芽生えるのを感じる事が出来ました。
実際、多数傷病者の現場に遭遇したことはないですが、ラリーを通じて自分なりの考え方や行動は心構えとして持てることができました。 それと普段プレホスピタルに携わることのない医師や看護師とチームを組めたのも意義がありました。
練習中、この機会と思い救急隊としての現場の意見や、医師・看護師としての意見を遠慮せず討論した事もありました。その結果、互いの救急現場活動を理解することが出来ました。
最後にこのラリーを通じて、自分の中にあった不安な部分が自信に変わっていくのを感じました。とても楽しく良い経験にもなったので、参加したことのない方は是非参加して欲しいと思います。
ラリーから実活動へ
Additional report: rally and rescue
☆大型バスの事故で数十人負傷が出た!
ある日の早朝、私は公休の朝を迎えているところへ一本の電話が鳴りました。
大型バスが単独事故を起こし、数十名負傷がいる模様との応援出動要請でした。
直ちに所轄消防へ駆けつけ、消防バスで現場へ向かいました。多数傷病者を想定しタックの使用、応急外傷セット、毛布等を積載し現場へ急行しました。
☆初期トリアージ中の救急隊
現場に到着すると、既に救急隊2隊が先着しており1次トリアージが終了したところでした。私の消防組織には指揮隊のシステムがないため、先着救急隊からオフィサーを引き継ぐこととまりました。2車線道路を警察官に警戒区域設定依頼をして安全を確保。
消防バスを救護所として患者を集め2次トリアージ、及び通信本部への情報提供、搬送病院手配依頼、後続救急隊への到達経路等の指示にあたりました。
傷病者は黒タック1名 赤1名 黄色3名 緑16名の計21名でした。
☆ ラリーから学び、事例から学び、現場活動へ活かす
事故発災から70分ですべての傷病者の緊急度・重症度を振り分け、現場から病院へ搬送することが当消防で実現できました。
ラリー経験、隊員個々の各トレーニング、普段の署内トレーニングの結果が出た一例です。
○著者のまとめ
Writer’s comment
ラリー開催運営を通して伝えられること
前回開催地である遠軽町から、ラリーのバトンを引き継ぎラリー運営のCC(コースコーディネーター)を担当させて頂くことになりました。大きなプレッシャーの中、およそ1年の構想と準備期間を設けJA北海道厚生連帯広厚生病院救命救急センター所長一瀬廣道実行委員長を中心に開催準備に入りました。開催テーマは、よりリアリティーを追及し、各職種の参加者が自職で活かせる内容とすることを目標に組み立てました。
私は道ラリー初開催から今回までと、道外神戸メディカルラリーでの北海道ステージを担当させて頂いた経験から、特に弱点と感じていた複数の患者が発生した場合の災害医療にフォーカスをあてシナリオ設定致しました。C:Command S:Safety C:Communication A: Assessment T:Triage T: Treatment T:Transportの流れや重要性について理解を深めて頂くことによってpreventable death撲滅に寄与したのではないかと思っております。
私自身ラリーは各単一での組織では決して行えない医療システムの顔を繋ぐ関係と各コースで学んだ知識技術を発揮できる絶好のコースだと確信しています。ラリーは合格、不合格ではなく点数で競い合う事も魅力の一つです。是非一人でも多くの医療者にこのラリーを体験して頂きたいと切に願っております。
○謝辞
Acknowledgment
今回開催にあたり、開催の成功裏には多くの方の協力、チームワークが何より重要であるかと言うことを私自身が学習したことであります。実行委員の皆様、スタッフ参加して下さった96名の皆様に心から感謝申し上げます。
資器材提供・ムラージュ施工して頂いたスミスメディカル・ジャパン(株)札幌営業所長 若林 弘幸様、AED実機等提供レールダルメディカルジャパン(株)所長 庫山 昇様をはじめ、各協賛頂きました企業におかれましては多大なる御支援御協力を賜り誠にありがとう御座いました。この場をもちまして御礼申し上げると共に、来年以降も救急医療向上のため開催を継続して行く所存でありますので何とぞ宜しくお願い申し上げます。
○開催団体
主催 北海道救急医学会
後援 JPTEC北海道 ACLS北海道
OPSホーム>基本手技目次>手技103:One Step Up 救急活動(第3回) メディカルラリーへ行こう!
08.9.13/11:46 AM
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