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救急隊員のための基礎講座 実践編 喉頭鏡とマギール鉗子2



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AEMLデータページから引っ越してきました

HTMLにまとめて下さいました粥川正彦氏に感謝いたします


救急隊員のための基礎講座 実践編

喉頭鏡とマギール鉗子2

一度過去に掲載した喉頭鏡とマギール鉗子の使い方を、新しい写真を使って再び解説する。救急隊員と接すると、喉頭鏡の使い方を教えてほしいという要望が多く聞かれる。バッグマスクはもちろん大切なのだが、それは消防学校でも習うし署のなかでもうまい人が必ずいるので、自分達で練習ができるらしい。しかし喉頭鏡に関しては使う頻度が限られている上、喉頭異物など生命に直結する場合があるので、いざという時のためにしっかり覚えておきたいというのが要望の理由である。喉頭鏡の基本はわずかである。頭を上げること、喉頭蓋の根元に喉頭鏡の先を進めること、手首を返すことなく向こう側に喉頭鏡を押しやることである。しかし最も大切なことは「落ち着くこと」。図1喉頭鏡のチェック。喉頭鏡のハンドルにブレード(口の中に入る湾曲した金属)を付けて開き、ちゃんと電球が点灯するか見る。電球がつかない場合、電池がないか、電球が弛んでいるか、ブレードの接触が悪いかである。ファイバー型の喉頭鏡は電球がグリップの部分にあるので、ブレードを開くことによって電球が点滅するか確認する。たまに電球が緩んでいて口の中に落ちそうになる。電球の弛みは必ず確認すること。図2喉頭鏡の握り方。ブレードの根元近くを持つようにする。写真の講師はブレードを手のひらに入れているが、もう少し離して持ってもよい。患者の頭の下にバスタオルなどを入れてあごを突き出させる「スニッフィングポジション(臭いをかぐ姿勢)にする。図3さて、喉頭鏡を握ったら一回深呼吸しよう。それから患者の口を開ける。講師(救命士)は親指と人さし指を交差させて開口させている。交差法の利点は大きな力を入れられること。欠点は開く幅が狭いこと。口にまだ力が残っている症例に適する。図4こちらの講師(医師)は人さし指と中指で開口させている。筆者も同様である。開口させる力は弱いため咬筋が完全に弛緩している場合に用いられる。口を広く広げられるのが有利。図5そうしておもむろにブレードを口に挿入する。ブレードは患者の右側から舌の右端を滑らせるように挿入し、ブレードの縁に舌を載せるようにする。図6ブレードの先端を舌根にかけ、舌全体をブレード全体で包み込むようにして、ハンドルを持ち上げ、やや右後方から正中に向けてすすめる。ブレードの先端で舌根をめくりあげる(喉頭鏡を回転させる)動作ではなく、ブレード全体をハンドルの長軸方向に平行移動させる気持ちで行なうようにすると歯を折らないで済む。うまくいっている場合は、視野の中に喉頭蓋先端が起き上がってきて、その先に声帯を含む喉頭の全貌がみえてくる。ただし、太った方、猪首の場合これが見えずに苦労&危険な思いをする事がある。図7介助者が患者の右口角を広げてあげると術者の視野が広くなって操作しやすい。図8喉頭がよく見えない時には、患者の喉仏を背中側に押し下げると見えやすくなる。それでも見えづらいときには今度は喉仏を患者の右口角の方へ引き上げると見えることがある。図9それでも必要な視野が得られない時には一度喉頭鏡を納め、バックマスクで換気する。枕の高さはいいだろうか。喉頭鏡のランプは暗くないか。患者の頭側に余裕を持って立っているか。今一度確認しよう。そして、深呼吸をして再チャレンジする。図10目的とする視野が得られたら右手を広げ、介助者からマギール鉗子を渡してもらう。術者は目的物から目を離してはいけない。介助者は術者が持ちやすいように鉗子を渡すこと。図11マギール鉗子の持ち方。親指と薬指を輪に入れて、人さし指は蝶番を押さえ、中指と小指は薬指に付けて鉗子を動かないようにする。講師(救命士)は持ち方が少し違う。こちらの講師(医師)の持ち方が正しい。鉗子は深く持ってはいけない。動きが鈍くなるためである。図12 介助者に開いてもらった右口角からゆっくり鉗子を進める。異物は逃げないぞ。 慌てて失敗するよりゆっくり確実につまむようにしよう。

講師:炭谷貴博(南宗谷消防組合中頓別支署・救急救命士)・川井邦彦(北海道 雄武国保病院院長)


症例 94歳男性。

主訴:呼吸困難

現病歴:特別養護老人ホーム入所中。1週間前から風邪を引き、医師の指示にて 点滴を受けていた。咳はあるが、発熱はなかった。前日の夕方から37℃程度の発 熱があり、当日朝から意識が混濁してきたので医師の往診を求めた。医師は病院 での入院加療が必要と判断し、救急車の出場を依頼した。

観察結果: 意識はJCS100, 顔色不良、口唇と四肢にチアノーゼ。四肢末端に浮腫をわずかに 認める。血圧70/50、心拍数90回/分。呼吸は荒く浅い、20回/分。SpO2 90%(O2 3L投与中)。体温37℃。静脈確保され点滴中である。咳とともに黄色端 を喀出。呼吸音は荒くぶつぶつと水泡様の音がする。

Q1 病態は

Q2 搬送中注意すべき点は

A1 肺炎。高齢者の肺炎は体温が上がらずぐったりしていることが多い。この症 例は94歳であり、平熱は35℃程度だったと想像できる。また末梢の浮腫やレント ゲン写真から心不全も合併しており、非常に危険な状態である。

A2 一般的な注意で特に上げるべきものはない。私は目を離した隙に心肺停止に なっていたことを経験しているので気をつける。また医師が同乗した際には、医 師にどこまで処置をすべきか指示を求めること。年齢から考えて、積極的な蘇生 は行わないと考えられる。 解説 超高齢者の肺炎症例である。患者は94歳という高齢のため、家族は積極的な治療 を求めていない。万が一の場合にもそのまま看取ってほしいとの希望であった。 この患者はたびたび肺炎を起こしては重篤となり、そのつど復活して老人ホーム に戻っているという強者で、今回も危篤のムンテラをあざ笑うかのように復活し て現在は元気にご飯を食べている。この繰り返す肺炎の原因は誤嚥によるものと 考えられているが、年齢から考えて積極的な医療的アプローチは行っていない。

写真1は入院時のものである。肺野、特に左肺野は真っ白で、大葉性肺炎の像で ある。

写真2は同じ時期のCT像で、葉間に水が溜まり、胸水も貯留している。肺野は汚 く、分泌物が多いことを窺わせる。また心臓を見てみると大きくなっており、さ らに心嚢内にも水が溜まっている。

写真3は加療後2週間目の胸部レントゲン写真である。写真1に比べて肺野の透過 性が増し、黒くなってきているのが分かる。


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