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210518救急隊員日誌(200)母親となって頑張る救急救命士

月刊消防 2021/1
空飛ぶクルマ
母親となって頑張る救急救命士
「CPA事案で、静脈路確保と薬剤投与出来ました。」2年前、一緒に救急隊として勤務していた後輩救急救命士からの一言だ。3年前の採用後、消防学校へ入校し、その後、消防隊の配属となり、翌年に救急隊となったが約3ヶ月で妊娠がわかったため、日勤となり、産前産後休業、育児休業を取得し、今年4月から現場復帰した。復職後の勤務は署は同じであるが私と班が異なり、毎朝の勤務交代時に特定行為の手技について相談を受けていた。休職以前は3ヶ月しか救急隊としての現場活動がなく、復職後も現場で静脈路確保の手技がうまくできなかったのである。
先日、他署の署長から「〇〇救命士、復職して頑張っているみたいやね」と嬉しい話を聞いた。また、勤務が同じ当直司令から「夜間の休憩時間に、研修室で黙々と特定行為の訓練をしているよ」と話を聞いた。私は、その話を耳にして嬉しかった。
青山学院大学体育会陸上部競技部の原晋監督「改革する思考」の本の中に、「改革へのマインドを持つと、アイデアが浮かび、考えたことを表現したくなるはずです。それが人間の欲というものだからです。そうすれば、人間は行動に移ります。こうした思考を続けていくと、考え始めることから行動に移るまでのスピードが一気に上がります。すると、アイデアがどんどん生まれ、組織の改革スピードが上がっていき、よりよい組織になる可能性が高くなります」とある。

後輩救急救命士は、経験不足と現場で静脈路確保の手技がうまくいかないことに悩んでいたため、私は、留置針の穿刺の仕方や外筒の進め方、カウンタートラクション(手指で皮膚を末梢側に引き、緊張させる。)のやり方など手技についてアドバイスした。また私自身の失敗原因①バックフローが来ない②バックフローは来たけど突き破って腫れてきた③バックフローは来たけど外筒が進まない等の経験談も話した。後輩救急救命士は、そのアドバイスを活かして工夫しながら訓練を行っていたのである。その訓練の成果を現場活動で活かすことができ、私に嬉しい報告をしてくれた。
また、後輩救急救命士の前向きな姿を見て、同じ署の救助隊や消防隊も影響され、組織が良い方向に動いていると感じる。休暇前も復職後も、静脈路確保の成功事例がなく静脈路確保の苦手意識があった後輩救急救命士であるが、日々の工夫した訓練や先輩救急救命士の話を聞いて積極的な姿になったと感じている。
今後、気管挿管30症例の実習が控えている。今の前向きな気持ちを持ち続け、訓練に現場活動に励んでほしい。約1年のブランクがある中で復職し、頑張る後輩救急救命士を今後も応援したい。さあ、私も初心に返って基本手技訓練から始めよう。

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