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220319救急隊員日誌(208)救急現場のイグアナ

月刊消防 2021/09/01, p49
 
 
 
空飛ぶクルマ
 
 
 
 
ペットは子どもの心と体に好影響を与える。ペット飼育が、子どもの非言語コミュニケーション能力の発達に極めて有効であることは、古くから知られている。これは、話をすることができない動物とのふれあいの中で、子ども達が「相手の気持ちを察すること」つまり「思いやり」の心を育むからである。
 

 救急現場で遭遇するペットは、圧倒的に犬と猫が多い。全国犬猫飼育実態調査(2020年)によると、日本のペットとして飼われている犬は848万9,000頭、猫は964万4,000頭いるという。その数だけを見てもペットは「大切で身近な家族であり、人生の良きパートナー」といえる。犬や猫などのペットの動作は愛くるしく、嫌みのないしぐさに見ているだけでも心がなごむことがある。今まで救急現場で遭遇した事があるペットは、犬、猫以外にハムスター、鶏、インコ、うさぎなどがいる。
 
 数ヶ月前の救急事案で傷病者宅に飼われているペットの犬に、当消防本部の隊員が左下腿を噛まれ3針縫う怪我した公務災害があり、救急活動中のペットには十分注意して活動するよう全救急隊へ周知されていた。
 
 先日の救急事案。「55歳男性が、左半身が動かしにくく、呂律が回らない。」との一人暮らしの傷病者本人から通報があり出動した。現場に到着すると、玄関は開いており、玄関から呼びかけると呼びかけ反応はあるが呂律が回っていなかった。傷病者が倒れている居室へ行くと、傷病者は倒れて動けなくなっている。その横に、なんと、体長1メートル50センチ程度のイグアナが傷病者の横に寄り添っていた。救急活動中のペットに注意するよう消防本部から注意喚起されていること、イグアナの特徴を理解していなかった私は、固まって動けなくなってしまった。ストレッチャーの準備をしていた隊員、機関員があとから到着すると、機関員が「僕、大学時代にペットショップでアルバイトしていたので、イグアナ移動させましょうか」と言った。私にとっては、同僚の機関員が救世主となった。イグアナは10年前からペットとして飼っているとのことだ。脳卒中が疑われ、早急に接触して観察したかったが、安全確認ができなかったため迅速な接触と観察ができなかった。
 
 これを機にイグアナについて調べてみた。イグアナの種類は、グリーンイグアナ、サバクイグアナ、コーンヘッドイグアナ、カメレオンイグアナなどがおり、日本で最も多く飼育されているのはグリーンイグアナである。グリーンイグアナの大きさは平均して1メートル50センチ、最大だと1メートル80センチまで成長する。おとなしい性格をしており、飼い主を見分けることができるので、性格的には飼いやすいペットである。だが発情期のオスは攻撃的になるため、飼い主以外は触らない、ストレスを溜めないようにする注意が必要である。現場で遭遇したイグアナは、グリーンイグアナであった。
 
 インターネットで検索して見たが、「救急現場で遭遇するペットの注意点」のような書籍は見つけられなかった。同様の本があれば、是非、購入したい。さあ、ペットについて勉強しよう。
 
 

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