240605_今さら聞けない資機材の使い方_126_エアーストレッチャー 三田市消防本部 北川拓哉

 
  • 282読まれた回数:
基本手技

近代消防 2022/10/11 (2023/11月号) p64-66



エアーストレッチャー

目次

『はじめに』 

皆さん、救急活動時に使用する搬出資器材は何を使用されていますか。

特にエレベーターの無い共同住宅の階段の移動や一軒家の2階から1階への移動の時、皆さんはどのようにされていますか。

スクープストレッチャー、バックボード、布担架、毛布、etc。様々な資機材があると思います。

 今回、三田市消防本部で使用している、自動膨張式担架(エアーストレッチャー)という資器材の使い方を紹介したいと思います。

『諸元』

使用時(展開時):75(幅)cm×190(長さ)cm×約7.5cm(厚さ)

収容時:Φ30cm×60cm(幅)

重さ:約6.7kg(本体重量)

・各部名称(001)

•エアーバルブ

•持ち手

•頭部側ループベルト

•足部側ループベルト

•胸部バンド

•腰部バンド

•足部バンド

•足部ポケット

『使用例』

今回は特に使用する場面の多い、2階から1階への移動時に使用する方法を紹介します。

【使用方法】

        

・エアーバルブを開放します(002)。

・エアーマットに空気が吸入されれば、バルブを閉じます。

・安全な位置で傷病者をエアーマット上に移動します。足部がポケットの中に入るようにします(003)。

・胸部・腰部・足部のベルトで傷病者を固定します(004)。

・平面から階段に移動する時に傷病者が反り返らないように注意します(005)。

・側部側の隊員は上図のように膝で傷病を保持すると傷病者の負担が軽減します(006)。

・上下の隊員がそれぞれ頭部側ループベルトと足部側ループベルトを保持して階段を移動します(007)。

・頭側の隊員は上図のように頭部側ループベルトを持つことで負担なく移動できます(008)。

足部側の隊員が傷病者を少し持ち上げると摩擦抵抗が減り、速度が上がります。

頭部側の隊員はテンションを掛ける(引っ張る)ことで速度調整が行いやすくなります。

【収納方法及び救急車積載方法】

収納方法

エアバルブを開放し、空気を抜きながら、巻いていきます(009,010)。

009

エアバルブを開放し、空気を抜きながら、巻いていく

010

完成

【積載場所】

救急車の後部座席下に収納しています(011)。三田市消防本部では救急車は計5台(予備車1台含む)がありますが、全車両とも同様の位置に積載しています。

『おわりに』

少人数で階段の搬送が可能で狭隘な場所でも使用できます。また、傷病者への負担も少ないため重宝しています。

どのような搬送資器材にも言えることですが隊員間で連携を取り合い、傷病者への声掛けを忘れずに搬送することが大事だと考えています。

プロフィール
・氏名
  北川 拓哉
・読み仮名
  キタガワ タクヤ
kitagawa.JPG
・所属
  三田市消防本部
・出身地
  兵庫県篠山市
・消防士拝命年
  平成21年
・救命士合格年
  平成29年
・趣味
  タイラバ、エギング、ゴルフ

コメント

タイトルとURLをコピーしました