c. QRSを見る
一番大きい波、QRSの形を見てみましょう
↓このQRSの形は正常です。P波も出ています。しかし、脈が等間隔ではありません。不整脈です。
1)
不整脈で、QRSの形が正常なときには、原因が心室の上にあるという意味で上室性期外収縮といいます。
1)では不整脈ですがP波は見られます。でもP波は変形して大きくなっています。これは変なところからP波が出たため変形したものです。原因がP波(心房)にあることから、心房性期外収縮と言います。心房性期外収縮は上室性期外収縮の中に含まれるカテゴリーの一つです。
次はどうでしょう。
2)
これも同じです。脈が2つくっついているので二段脈と言います。実際に脈を取るとイチ・ニ・休み・イチ・ニ・休みと感じます。
↓このQRSの幅はどうでしょうか。
3)
QRSが明らかに大きく幅広くなっています。これは心室が勝手に収縮する不整脈で、心室性期外収縮と言います。
↓これもQRSが変です。3)は変ななりに形が同じでしたが、これは変な形が複数あります。
4)
これも心室性期外収縮ですが、原因となる場所が複数あるので多源性心室性期外収縮と言います。あっちこっちで勝手に心臓を動かそうとする奴らがいる状態なので、3)に比べて危険だと言うことが理解できるでしょう。
↓これは心室性期外収縮が連続しています。
5)
3連発、人によっては6連発以上を心室頻拍(short run)と言います。心臓に血が入ってこないうちに心臓が勝手に収縮するので、患者さんは貧血状態になり、これが続くと意識消失→呼吸停止となりかねません。厳重な監視と治療が必要です。
まとめ
QRSの形で不整脈を分類すると
- QRSの形が揃っているのは上室性(心房性を含む)
- QRSの形が崩れて大きいのは心室性
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