110517日本辺境論
評者) うりぼう
日本辺境論
著者 内田 樹
出版社 新潮新書
値段 ¥740(税別)
星5点満点 ★★★★☆ 4点
書評(350-400字程度)
一気に読める日本論・日本人論です。書名はややお硬いですが、文体は柔らかく、ウイットに富んだ語り口で難解なテーマを論じています。
著者ははじめに「日本は辺境であり、日本人固有の思考や行動はその辺境性によって説明できる」と説きます。これだけでは何のことやらという感じですが、日本人のふるまいの基本パターンとして「たえず外を向いてきょろきょろしている」という点を取り上げ、そのような態度は国家レベルでも個人についても変わらないと指摘します。そして、日本人のこういった傾向の由来は、地政学的に日本が「辺境」に位置しているという視点から理解することができると結論づけています。
本書のなかで「他国(他人)との比較でしか自国(自分)を語れない」とか言われてしまうと、思わず相槌を打ちたくなる私ですが、正にそんな私が「日本人」らしいです(笑)。
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