月刊消防2020/10/1, p49
小心者
癒しの言葉
日本各地でドクターヘリの運航が始まり、医師、看護師が直接現場へ向い速やかに治療を行い、適切な医療機関へ短時間で搬送することが可能になりました。私が勤務している都市部から離れた小さな田舎町も、ドクターヘリ運航範囲内となり救急出動の選択肢が増えることになりました。救急出動件数が極端に少ない田舎町なので、ドクターヘリ要請するような救急出動がそれほど多くなく、ドクターヘリ要請事案が発生したときは結構緊張してしまいます。要請基準を満たしているか、ランデブーポイントの設定と安全管理の人員配置は大丈夫か、応援要請は必要か等々、毎回頭をフル回転させながら活動しています。
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真夏の暑い日に大型トラック対大型トラックの交通事故で、一方の運転手が挟まれ脱出できないということで、救急救助要請があり隊長として出動しました。高エネルギー事故が予想されたので、覚知の段階でドクターヘリを要請、ランデブーポイントを現場近くの場所に設定。足を挟まれ車内にいた傷病者を油圧救助器具を使用し車外へ救出。時間に余裕があったので、救急車で地元病院へ搬送しランデブーポイントも病院駐車場に変更しました。この日とても暑かったので消防隊、救急隊、そして到着したドクターヘリスタッフの方も、みんな汗だくになりながら活動しました。傷病者を引継ぎ、ドクターヘリを見送り活動が終了。それでも活動中失敗したことがいくつかあって、隊員と反省会を開くとともに、隊長である私は自己嫌悪に陥っていました。
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数ヶ月後この事案の事後検証票が返信されてきました。コメント欄に「少ない人数で効率良く活動されていました。暑い中、必死に活動されていたことが印象的で、一緒に活動したスタッフも元気をもらいました。」と、癒しの言葉がたくさん記載されていました。自己嫌悪に陥っていたのが恥ずかしくなってしまうくらい嬉しいコメントをいただき、こちらも元気をもらいました。癒しの言葉を心で受け止め、今後の活動に活かしたいと思います。
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