月刊消防 2023/09/01, p71
月刊消防「VOICE」
パパは救急救命士
私は、大学卒業後は診療放射線技師として働いていました。一般撮影、CT、血管撮影やバリウム検査等を従事していましたが、色々な事情により、横須賀市消防局に入職することになり、現在は救急救命士として地域に貢献するため頑張っています。
私はプロとして救命の現場に携わることができることを誇りに感じています。生死の境を彷徨う場面を目の当たりにすることも多く、そのたびに職責の重さを自覚し身の引き締まるようなプレッシャーを感じますが、微力ながら市民の皆様のお役に立てることに大きなやりがいを感じています。
私の妻は看護師で二人の間には中学3年、小学6年、5年の男の子と年長さんの可愛い女の子がいます。妻の仕事は私同様、夜勤もあるため夜は交代で子供たちの面倒を見ていて夕食の支度も交代でしているのですが、男の手料理を育ち盛りの子供たちが「美味しい。」と言って腹いっぱい食べてくれるので男冥利に尽きます。
次男と三男は今、野球に熱中しています。私自身は野球の経験はほとんどないのですが、平日はチーム練習に、週末は試合の応援や審判をしています。試合で活躍したことを自慢げに話してくる子供たちの話を聞きながら、妻とお酒を酌み交わし、「あーでもない、こーでもない。」と知った風な感じで録画したビデオを鑑賞するのが趣味となっています。
私が地域の皆様のために頑張れる原動力は家族です。
私が勤務する横須賀市も他に違わず毎年救急出場件数が増えています。特に私の所属する消防署は横須賀市の中心ともいえる地区で市内トップの救急件数を誇ります。周りには飲食店など深夜まで営業している店も多いため深夜の出場も少なくありません。飲酒を伴うトラブルなど精神的にも大変な地域ですから当直明けの非番の日はヘトヘトになることも多いです。それでも、帰宅すると可愛い娘が「パパ~!」と駆け寄ってきてくれます。(因みに息子たちは私の車の音が聞こえると、父親がお見通しなのを知ってか知らずかテレビゲームを止めてそそくさと2階に逃げていきます。でも私も小さい頃、同様なことをしていたような・・・)。また、仕事で疲れ切っている時に子供たちがマッサージをしてくれるのも幸せな時間です(マッサージ代はかかりますが・・・)。身体を労わってくれる優しさも父親の目を盗んで悪戯をする無邪気な姿も家族の温かい雰囲気を感じるひと時です。家族は常に私の生活の中心にあって、私を支え、エネルギーを与えてくれます。救急隊員として全力で職務に専念できるのも妻をはじめとする家族のおかげです。ですから私も救急隊員としての仕事を続ける一方で、家族を大切にすることを心掛けています。家族は私にとってこれまでも、またこれからも一番大切なものです。
まだ、だいぶ先の話になりますが、私が退職するときに、子供たちから「親父はよくやった!!」とお褒めの言葉を頂けるように、もう少しだけ頑張ろうかなと思います。
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