260503_VOICE#116_ブランドイメージ

主張

月刊消防 2025/09/01, 47(09)通巻555、p86

月刊消防「VOICE」

 


最近、消防士が活躍するドラマや映画などを目にする機会が増えたように感じ、とても嬉しく思います。そのような中で、消防士役を演じている男性俳優さんを見ていると、黒髪の短髪風にヘアアレンジされており、爽やかな印象を受けます。世間の消防士に対するイメージといえば、このようなものかもしれません。

一方、最近のトレンドでしょうか。私の職場でも20代の若年層を中心に、パーマや染髪をしている職員をよく見かけるようになりました。ファッション紙に載っているような今どきの髪型です。少し前では見かけることのなかった光景なだけに、このような職員に会う度に私は「これは注意した方がよいのだろうか」と考えてしまいます。世間では、個人の表現の自由や、個性というものが尊重されるようになりました。そんな時代に、その髪型はやめろ。などと職場で後輩に指導するのは、むしろハラスメントだという意見も聞こえてきそうです。

かくいう私も、昔はパーマをかけたり、金髪になるまで髪を脱色した時期もありましたが、大学卒業とともに気持ちを改めて断髪し、消防の世界へ入りました。私が採用されたのは2012年。世間ではきゃりーぱみゅぱみゅさんが個性的に活躍している最中でしたが、初任科では、男子学生は全員数ミリ程度の坊主頭。周りを見渡せば、ほぼ同じ景色に統一されていました。消防学校では、教官による服装・身だしなみ点検も頻繁にあり、皆規律を守って寮生活をしたのを覚えています。最近は、初任科学生も、髪型はある程度の範囲で自由が効く様子。初任科で最新の消火戦術を学べるなどの教育革新も相まって、時代の変化を感じます。

個性の話とは少し離れますが、先日私は、カーディーラーに勤める友人にクルマの買い替えを相談しました。普段からよく会う間柄なので、試乗の依頼をしてディーラーを訪ねました。営業担当の彼が出迎えてくれたのですが、その身なりに私は驚いたのです。普段会うときは髪も遊ばせて、かなりラフな印象ですが、職場ではスーツを綺麗に着こなしており、着用する腕時計は、いつもと違っていやらしさがありません。髪型からは清潔感を感じられて、とても信頼できそうなイメージを受けました。尋ねたことに的確に答えてくれたこともあり、安心して成約までしてしまいました。身だしなみひとつで、人の印象はこうも変わるものかと実感しました。

後日、その友人に、仕事で心がけていることを聞いてみました。自分の身なりや話し方によっては、顧客に与えるブランドイメージが崩れてしまうことがあるので、常に相手に与える印象を意識して仕事をしているとのことでした。我々は営業職ではありませんが、市民が119番を掛ければ、ある日突然、家や仕事場を訪れて命を預かる職業です。出会ってから短時間で、相手との信頼関係を築く必要があります。そんな中、最初の第一印象で不信感を与えてしまっては、その後の活動はスムーズにいかないかもしれません。市民からは災害対応、人命救助のプロフェッショナルとして期待されている消防士。子供たちも憧れる、活動服や救助服に見合う身なりが、仕事中は最低限必要となります。

我々消防職員に求められるブランドイメージとは。

 

名前:高嶋 佑輔           
よみがな:たかしま ゆうすけ
所属:駿東伊豆消防本部 沼津南消防署
出身地:静岡県沼津市
消防士拝命年:平成24年
階級:消防士長
趣味:ドライブ、映画鑑賞
主張
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