261001_VOICE#123_学びを止めない

主張

月刊消防 2026/04/01, 48(04)通巻562、p55

月刊消防「VOICE」

働く上でどのような立場や役割になったとしても、学びを止めることなく仕事に向き合うことが大切であると考えています。私は、現在、西宮市消防局において高度救助隊の隊員として、またIRT(国際消防救助隊)登録隊員として勤務していますので、救助の分野における私自身の学びについて紹介します。

各消防本部においても、キャリア形成プランはあると思いますが、西宮市消防局における救助の分野にも、段階的なキャリア形成プランがあります。一例を紹介すると、まず、救助隊員を志す隊員は、救助隊員になるための試験に合格し、救助隊員有資格者となります。その中から選ばれた隊員が特別救助隊員に任命され、さらに特別救助隊員の中から、緊急消防援助隊に派遣される隊員を大規模自然災害対応隊員(Nishinomiya Disaster Rescue Team、通称:NDR隊員)として指定されます。NDR隊員に指定されると、年に数回、クリビングやショアリング等の震災救助に関する訓練を実施するようになります。さらに経験を重ねることで特別救助隊長となり、その中からIRT登録隊員に指定され、その後、高度救助隊長となるというキャリア形成プランです。このように、明確な目標を持ってキャリアを形成できる環境が整えられていることは、日々の業務に向き合う上で大きな意味を持っていると感じています。私自身も、IRT登録隊員になることを一つの目標として努力を重ねてきました。現在は、次の目標である高度救助隊長を見据え、日々の業務や訓練に取り組んでいますが、どのような役割や立場になっても、学びを継続することが重要であると感じています。

私自身の学びとしては、災害対応力を高めるために、国内外の対応事例や用いられている手法を学び、それらを当市の体制に照らして検討することを意識しています。具体的には、火災性状や火災活動において緊急事態が発生した場合の対応、ロープレスキュー、震災救助や交通救助に関する応用的な技術等、基本を大切にしながら、先進的な知識や技術についても積極的に学ぶように心掛けています。

特に、ロープレスキューにおいては、海外で行われている世界大会に自主的に参加し、上位入賞するまで自己研鑽に取り組んできました。国内の手法だけではなく、海外を含めた世界のロープレスキューに触れることで、より合理的で安全性の高い考え方や運用方法を学ぶ絶好の機会となりました。

これらを個人的な取り組みで終わらせるのではなく、西宮市消防局ではロープ作業部会を立ち上げ、ロープに関する考え方や手技を整理し、教本という形で資料化を行いました。この教本の整備により、救助隊員有資格者、特別救助隊員、NDR隊員、救助隊長といった、さまざまな立場の隊員が共通認識を持てるようになりました。現在では、現場活動においても、その教本を基にした活動が展開されるようになっています。

救助の分野に限らず、消防という組織にはさまざまな役割や階級がありますが、どの立場であっても学びを止めず、次の役割を見据えて仕事に向き合う姿勢が大切であると私は考えています。

プロフィール及び写真

井上 桂 (いのうえ けい) H3.2.2生 (34歳)

  所属 : 兵庫県 西宮市消防局 西宮消防署 高度救助第2係

  拝命 : 平成21年 4月 1日

  階級 : 消防司令補

  出身 : 兵庫県神戸市

  趣味 : 動画共有プラットフォーム(You Tube等)鑑賞


主張
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