症例21 トリアージを必要とした交通事故事例

 
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症例21 トリアージを必要とした交通事故事例

石川信行

富良野地区消防組合南富良野支署

OPS#16 歌登 2004-4-7 wed 19:30-20:30


OPSで発表した反省点を踏まえ、安全確保や機動性に優れた救急/救助活動を行うようになりました

バックボードを用いた傷病者の救出
黒いワンボックスワゴン車が衝突相手

軽自動車とぶつかった

↑交通は遮断していないもよう

ひとり挟まれて動けない

救出したところ

↑無惨に大破した軽自動車


実際のトリアージ事例
富良野地区消防組合南富良野支署 石川信行

支署での覚知  2月某日午前
通報内容  「警察署より連絡、交通事故一名が車内に挟まってる模様。」
1分後救急・2分後救助 出動
4分後第2報 消防本部から連絡「傷病者7名内大人3名が車内にいる、救助1隊、救急2隊出動した。」
支署から現場まで  12km  13分

各地からの時間(分)
1 支署救急車3名乗車
2 支署救助車3名乗車
4 支署指令車2名乗車
6 本部救急車1号3名乗車
6 本部救助工作車4名乗車
8 本部救急車2号 3名条車
13 支署救急車  現 着
14  支署指令車   現 着
15 支署救助車   現 着
23 傷病者�B支署救急隊救出
28 傷病者�@支署救助隊救出
29 支署救急車 現発傷病者2名
29 本部救急車 1号 現 着
32 傷病者�A合同隊救出
33 本部救急車2号  現 着
36 本部救急車 1号現発傷病者3名
37 本部救急車2号 現発子供2名
52 支署救急車 病院収容
61 本部救急車 病院収容

感染防御:手袋・ガウン・ヘルメット
受傷機転:大型トレーラーと乗用車の衝突(写真1・2)
安全確保:現場国道上で上下線ともに10台程度の渋滞であり、ガソリン臭は無し。警察官同時到着
傷病者の数:ステーションワゴンに運転席に1人、後部一列目の座席に2名
後着隊:支署救助隊、本部救急隊2隊、本部救助隊1隊   計15名

傷病者�@~右後部座席60歳、レベル�桁、頭部、顔面裂創出血有り、腰部、下腿部挟まり有り・・・・・・・・赤
傷病者�A~運転席30歳代、レベル�桁、顔面挫創有り、腹部、腰部、下腿部挟まり・・・・・ 黄
傷病者�B~後部座席中央30歳代、レベル�、頭部、顔面打撲、活動性の出血無し、腰部座席間に挟まり有り・・・・・黄
他の傷病者~すでに他の車両に救助特に問題ない

傷病者�@について
一列目後部座席。顔面前額部右眼瞼にかけ約5�Bの裂創及び口唇部から右鼻部にかけて約4�B裂創、頭部にも約5�B裂創。レベル�桁。体格がよく厚着のため頸椎保護困難。傷病者�Bに覆い被さった状態。�Bが腰部の激痛を訴えるのと、救急隊で救出可能な�Bを優先したため、酸素投与出来ず。覚知27分で支署救助隊によりコンビキャリアにて救出、救急車収容。 SpO2 84%。車内収容後リザーバー付きマスクでO2 15L投与した。

傷病者�Aについて
顔面裂創出血は止まっていた。呼びかけに明瞭でレベル�桁。呼吸状態に異常認めず。腰部、下腿部挟まり。酸素投与出来ず。シートベルト有り、エアーバック作動。救助隊により、コンビキャリアにて覚知32分後に救出、本部救急隊に引き継がれた。

傷病者�Bについて
顔面裂創、出血止まっていた。レベル�桁。後部一列目のシート間に腰部挟まり、頭部を運転席に仰臥位でいた。腰部に激痛を訴える。救急隊により用手にて救出。リザーバー付きマスクでO2 10L投与。バックボードで後部ハッチより救出、骨盤及び大腿部骨折を疑った。

傷病者�@~重症⇒肋骨骨折・頭蓋骨骨折・血胸
傷病者�A~重症⇒右肘開放脱臼骨折・右股関節脱臼骨折
傷病者�B~重症⇒右股関節脱臼骨折


反省点
状況評価を完全におこなう。
初期段階で徹底したトリアージをするべき。
一環した統括指揮能力が問われる。
多数傷病者を想定しJPTECのシュミレーションを行う。


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