感謝の気持ちを

 
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主張

感謝の気持ちを

2018年2月25日日曜日

「本当に助かりました、ありがとうございました。」消防職員の皆さんは、火災、救急、救助の現場などで要救助者、傷病者、関係者の方から、この様な言葉を掛けられたことがあると思います。感謝の言葉を聞くために活動する訳ではありませんが、聞くことができれば疲れは半減し、もっと頑張ろうという自分自身への励みになることは間違いないでしょう。

数多い現場の中でも、自分が納得できる活動はそんなに多くはない筈です。そのような活動をするためには、どんな現場でも冷静を保てる意志の強さ、様々な知識や技術、そして考えと行動が一体化すること、またチームワークが必要になってきます。

しかし、一夜にしてエキスパートになれる筈はないので、コツコツとできることを続けていくことが必要になります。体力錬成や訓練を先輩から「やれ」と言われて行うのではなく、なぜ必要なのか自分で気付いて始められると身につくスピードや知識の量も違ってきます。機械や器具の取扱いについても、使用方法だけでなく構造や仕組みに興味を持ち、学習すると故障や破損を減少させることができます。折角の装備が現場で動かない、使えないでは話にならないですから。また、色々な現場の経験が活動の引き出しを増やすことは間違いないですが、経験豊富な先輩から話を聞いたり指導を受けることでも引き出しの中を充実させることはできます。そこに自分の経験を収納していけば何もない所から作り上げるより近道でしょう。

私たちには人事異動があり、同一の職種で活動を続けられるとは限りません。しかし、どちらに異動してもそれまでの努力が無駄になるわけではなく、経験や知識を生かせる場面が必ずあります。色々な経験や知識を積み重ねる度に、自分が成長していることに気付くことができると思います。

我々が現場で活動するときに忘れてはならないことは、相手は人であるということです。そして程度の違いはあっても私たちに助けを求めているのだと認識することが必要です。人を労わる気持ちを持つことで接し方も変わってきます。傷病者や関係者の感謝の気持ちを感じ取ることができたとき、自然と自分が納得できる活動になるのではないでしょうか。

 私は消防音楽隊でサックスを演奏しています。音楽隊に関わるまで触れた事のなかった楽器ですが、25年余り続けると少しは形になるものです。「継続は力なり」です。

野口 治(のぐち おさむ)  55歳

越谷市消防本部指令課第2担当副課長

消防司令

消防士拝命 昭和57年

趣味    ドライブ ゴルフ

主張
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