170910田中一夫(苫小牧消防)「そもそも」のススメ

 
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170910田中一夫(苫小牧消防)「そもそも」のススメ

田中 一夫

苫小牧市消防本部 消防署 錦岡出張所 53歳

昭和59年 苫小牧市消防士拝命

平成21年 救急救命士資格取得

平成22年 月刊消防12月号掲載 「オスキー」のススメ 

平成28年 苫小牧市消防本部消防署錦岡出張所所長

出身地:北海道帯広市
趣味:色々ありますが…孫と会う事!

「そもそも、お前って奴は・・・」昭和の時代に居酒屋などで聞かれたフレーズは、個人の主観であり、根拠がなく、何が「そもそも・・・」なのかさえ分からない。そのうえ翌日は、かなりの確率で二日酔いを伴う。

場面は変わって、こう着した議論の中「そもそも、目的は・・・」に議論が急展開することがある。(核心を突かれた)(今更それを言うか・・・)と思いつつも、手元にしかなかった視野が俯瞰的(「ふかん」全体を上から見ること)になり、視野の広い応用力のある結論へと向かって行く。

「・・・・、なぜ?」

毎日の出動、査察や事務には一つとして同じものはない。似ていても必ずどこか違っていて新たな判断が必要となる。判断するためには瞬時に「現状」「課題」を考察し「対策」を導くことが必要で、経験や学習が判断の基礎となる。

今執っている事務や作業は、「なぜ?」行われているのか是非一度、自分で納得するまで考えて欲しい。そうすることでイレギュラーな事が起きたとしても、すぐに対応することができるようになる。自分で得た知識と経験は自信となり、学習することで、その視野は広くなる。常に「なぜ?」と考えることで物事を見極める力が付く。

 

「・・・・、根拠って」

 国や自治体の法令、裁判の判例、議会での決定事項など、データーなどの事実は多角的で多いほど、根拠として客観性が増し説得力が増す。一方、個人の見解や感覚が少しでも混じってしまうと、根拠として客観性が乏しくなり、説得力としては薄れていく。会議や打合せ、現場対応においては客観性を意識しなければならない。目的をやり遂げるためには、まずは明確な理由が必要で、理由にはそれを証明するだけの根拠が必要だ。

 「・・・・、目的って」

「安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」が我々の目的で、目の前にある業務は、目的をやり遂げるための手段と言える。しかし、いつの間にか手段を達成することが目的なってしまい、本来の目的は後回しになってはいないか。何の任務でも目的は同じ、今いる部署が長かろうと短かろうと関係ない。自分がこれまで培った経験や学習は、どこへ行こうとも必ず応用できる。

「・・・・、そもそも」

 常に「なぜ?」を考察しつつ経験を積み学習してきたのは、迷わず答えを出すためである。迷いがあれば答えを出すことは困難になり、周りに答えを伝えることは困難になる。自分の答えが相手に伝わっていないと感じたのなら、それは自分に何かが欠如しているからだ。欠けているのは「根拠」かもしれないし、手段や話し方かもしれないし、答えそのものが欠けているのかも知れない。答えを謙虚に練り直すべきだ。

ただ、答えを出すことは絶対に諦めてはならない。なぜなら、自分の集大成がその答えであり、自分以外の誰かが出せるものではないのだから。

 さて、今思えば昭和の時代に居酒屋などで聞かれた「そもそも、お前って奴は・・・」という発言の主は、自分をよく見ていてくれる愛情ある先輩だった気がする。しっかりと今も胸に響いて、今日の自分の基礎になっているような気がする。


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17.9.10/1:35 PM

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