161106土田智洋(増毛消防)これからの消防官

 
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主張

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161106土田智洋(増毛消防)これからの消防官

北海道増毛(ましけ)町消防本部警防課長
土田智洋(つちだともひろ)
53歳
昭和56年4月消防士拝命
平成9年5月救急救命士資格
平成26年4月現職
趣味 仕事

私が消防士を拝命した頃は、消防は「危険」「きつい」「汚い」の頭文字を持つ「3K職業」として敬遠されていたが、今日では頻発する大規模災害の過酷な活動に国民が感動し、信頼を得ると共に、業務内容も専門性かつ高度化へと変遷を遂げ羨望的な一職種となった。国民の負託に応えるため、今後の消防人としてどうあるべきか私見を述べたい。

1.経験とは数より質である
消防活動で「経験」の蓄積は重要である。しかし、数だけの裏付けのない経験はただの「お話」であり、信頼性や説得力に欠ける。先人の教訓や自らの失敗例を「学び」として多角的に検証し「裏付けされた経験」を次世代に疑似経験として教示・伝承して頂きたい。

2.自分への投資
過酷な現場での長時間活動は、知識や技術、経験の他に体力と精神力も必要で、様々なスキルアップが必須である。日課の体力錬成を淡々とこなし、自己の怠惰を克服する者は、体力と共に精神力も培われる。非番日を利用し自費ででも勉強会等に参加する者は、専門的で未知数な知識の習得が可能である。勉強会等を通じ多くの人達と関わりを持てれば、プライスレスな収穫がある。生涯にわたり、広い視野で常に向上心と先見の眼を持って自分への投資を怠らないで頂きたい。

3.言葉を掛け、心の通った活動を
救急救命士の二処置拡大がなされた今日、活動のルーチン化やプロトコルの遵守と並行して、コミュニケーションスキルが今以上に重要で必須と考える。傷病者が何をして欲しいのかを相手の立場で考え、必要な処置は何かを医学的知見で判断する事は勿論、言葉を選んで声掛けをする事で活動が円滑化し、傷病者の苦痛や不安の軽減、ひいては誤解や訴訟の回避に繋がる。対話により意思疎通を図り、心を救う活動を目指して頂きたい。

4.不変の消防魂
消防組織は今日まで、一人ひとりのプロ意識や誇り、自覚と責任そして自己犠牲という消防魂に大きく支えられて変遷を遂げた。今後、消防がどのように変貌を遂げようとも、我々消防官の熱い消防魂は伝承され、不変であって欲しいと切望する。最後に、消防はチーム内で協力し合ってこそ自分が活かされることを忘れないで頂きたい。
我々管理職員も、過去の功績は忘れ、常に失敗から学び、偉ぶることなく、歳のせいにして逃げずに前進し続けなければならない。


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16.11.6/2:47 PM

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