170910浦田博文(浜田市消防)良き上司、先輩となれ!

 
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主張

170910浦田博文(浜田市消防)良き上司、先輩となれ!

なまえ 浦田 博文
・よみがな うらた ひろふみ
・出身地 島根県浜田市
・所属 浜田市消防本部東部消防署旭出張所
・消防士拝命年 平成元年
・救命士合格年 平成10年
・趣味 救急、オートバイ、トレーニング、写真、料理、猫

良き上司、先輩となれ!

私は今年で消防生活29年目を迎えた消防士です。平成10年に救急救命士の資格を取得後は、救急救命士として救急業務を行い、救急専従ではないため予防業務、警防業務など消防全般の仕事を行っています。

最近の若い者(昔からよく使われるフレーズですね)は「指示待ち」が多いなどと言ったりしますが、そうなった原因は自分達おっさんにあるのでは?と気付くようになりました。

まあ男職場ですから、何か少しでも違ったことをすれば怒鳴られ、萎縮し、それなら言われた事だけやっておけば良いんだ!といった風潮にしてきたのかもしれません。しかし、時代(時)は流れ、そういった時代ではなくなってきているのではないかと思います。

そんな自分の失敗談から後輩諸兄に、これからの仕事にたいして少しでも参考になることがあればと思います。

・思い込み

色々な業務の中で、なんとなく先人から受け継がれてきた言い伝えのようなものがどの職場にもあるのではないかと思います。それは消防法や火災予防条例などの解釈であったり、はたまた救急現場でのプロトコールであったりと多岐にわたります。そういった日々の業務や日常生活の中で「思い込み」ってないですか?

まず、自分の担当する仕事そのものに関する「思い込み」があります。人間、勘違いということは日常的によく起こります。日常生活ではそれでも大きな問題に発展することは稀でしょう。しかし、仕事となると、ちょっとした勘違い、思い込みが大きなミスにつながることがあるのです。 たとえば、同じ課・係内の同僚などへの連絡を怠るケース。「彼はこのことは知っているはずだから、連絡する必要はないだろう」と判断をしたために、相手に迷惑をかけてしまう。あるいは自分の仕事にも悪影響を及ぼすということがあります。この場合、「彼はこのことは知っているはず」というのが、つまり勝手な思い込みなわけです。もしこのようなことが災害現場で起こったとしたら・・・想像するだけでも恐ろしいと思いませんか。

こうしたミスを防止するための意識改善は、「報告・連絡・相談の徹底」しかありません。思い込みをそのままにして判断することから、ミスが起こるのです。それを防ぐためには「面倒くさがらずに確認し、密なコミュニケーションを図る」必要があります。つまり「小さな労を惜しまないこと」、これが意識改善のポイントです。

・「怒る」と「叱る」

部下を怒っていませんか?「怒る」とは不満・不快なことがあって、がまんできない気持ちを表します。対して「叱る」とは目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめることを言います。「怒る」と言う行動がただ感情をぶつけることに対して、「叱る」と言う行動は相手に気付きを与えることを目的とします。組織の中の上司が部下にとるべき行動は「怒る」ことではなく「叱る」ことだということがこのことから分かると思います。

・思いは言葉で伝えなければ伝わらない

「伝える」と「伝わる」は、全く異なります。自分がちゃんと伝えているつもりでも、相手がしっかりと認識していなければ意味がありません。自分の部下に対して、「何で出来ないんだ?」と怒る人がいますが、これは多くの場合、ちゃんと伝わっていないことが原因です。つまり、教えた側の責任というわけです。相手にどう伝わっているかを意識しなければ、思うように動いてはくれません。ですから、伝えることよりも「伝わっているか」を意識するようにしましょう。自分本位ではなく、相手本位で考えるということです。常に思いやりを持って、話をするようにしてください。こういった意識が、物事を伝えるときには必要になってきます。

・「仕事」と「作業」

「仕事」と「作業」履き違えていませんか?「仕事」とは、その結果によって価値を生むための活動です。「作業」とは、与えられた仕事をただひたすらこなすこと。言うなればマニュアルどおりに行動する活動のことです。また、仕事と作業の違いは、考えて行っているかどうかというのも当てはまると思います。作業は考えなくてもできますが、仕事というのは今行っていることを変化させ、効率化を図らなくてはいけません。常に何がベストなのかを考え続けることが仕事です。

上司に言われたことをしっかりと間違いなく言われたとおりにこなすことは「仕事」とは言えず「作業」にすぎないのです。最低限、「作業」をきっちりこなせることは大事なことですが、それだけでは本当の意味で価値が生まれているとは言えません。

我々の日常業務の中で車両点検であるとか、統計であるとか、消防用設備点検報告の処理など想像してみてください!「作業」になっていませんか?

どんな仕事においても、作業は必ず発生します。ここで注意しなければいけないのは、本来「仕事」であるべきものが「作業」となっていないかということです。ずっと同じ作業を行っていると、仕事をした気になってしまうこともあります。しかし、それだけで仕事で得られる価値というのは生み出せません。仕事は一歩先に進めさせることです。下がってはいけません。進むために、どうすればいいのかを常に考え続けなければいけません。

作業と仕事の違いについて理解していただけましたか。そうです気付くことが大切です。作業ではなく仕事をしていきましょう。

・気付き

救急では多くのプロトコールが存在します。救急現場ではとりあえずこのプロトコールどおりに処置をすれば問題がない!本当にそれで良いのでしょうか?JPTECではどうですか?初期評価、全身観察、搬送中は継続観察だけで良いの?プロトコールにしても、JPTECにしてもそれを使うための判断をしていますか?MCLSで集団災害!災害に対するスイッチを入れる人は多くなりましたがスイッチを切るタイミング考えていますか?

・終わりに

これまで私が体験した失敗を基に書かせていただきました。そんな私の消防生活もあと10年となりました。と言いますか10年しかありません。フルマラソンで例えれば35キロ地点!といったところでしょうか。一番苦しい時だと思います。救急救命士を目指した時の気持ちで、もう一踏ん張り頑張って、ゴールに向かって突き進もうと思います。

17.9.10/1:36 PM

主張
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