110304長天カレー
110304長天カレー
作)どうでしょうファン
消防職員にとって大事な仕事は、1に出場、2に訓練、3に事務処理。
それを支えるものは、1に食事! 2に仮眠! 3に給料?? いやいや家族!
今回は、消防署での食事について、ちょっと悔しい話をします。
自分の勤める消防署では、現在、弁当や出前が主流となっていますが、自分が初任教育を卒業してからは数年程、平日に毎日昼食を作っていた時期がありました。
当然、下っ端の自分は、高校卒業したてとはいえ、勤務日の午前は食事作りに忙殺されていました。
慣れない手つきでの調理のため、当初は失敗続き、餃子を焼く際に水を入れることを知らず、庁舎内に焦げた臭いを充満させ、火災調査係にフライパンの実況見分をされる始末。
「料理のセンスがない」と原因判定されるような日々が続きました。
必然的にメニューは「カレーライス」「煮込みうどん」と、おおよそ失敗も少なく、誰でも食べられる2大メニューに頼る傾向となっていました。
そんなある日、いつものようにカレーの調理開始、野菜を切り「さて、肉を切るか」と思い冷蔵庫を見ると「肉がない!!」。
仕方なく、冷蔵庫を検索すると、長天かまぼこを発見!!
自分が子供の頃、実家で肉が無いときは、長天を入れて食べ、実は結構美味しかった記憶があったため、早速肉の代わりにカレーへ投入(魚の肉だから同じじゃ?と思い)。
出来上がりは上々であり、昔食べたカレーを思い出させる味でした。
昼食の時間になり、先輩方にカレーを見せると、30代の食べ盛りな先輩数名の目が点になり・・・
先輩「??これなんだ」
自分「今日は長天入れてみました(自慢げに)」
先輩「肉の入っていないカレーなんぞ、カレーじゃねぇ!!」「長天なんて貧乏くさいもの入れやがって」
とブーイングの嵐。
なんで飯作って怒られなきゃならないんだ?? と悔しい思いをしていました。
結局他に食べるものもないので、文句を言いながら食べていました。
まあ、若手、中堅の職員にとって昼食は楽しみの一つであり、肉が食べたいというのは必然かもしれません。
唯一の救いだったのは、古参の先輩方が「まあいいじゃないか」「昔のカレーなんてこんな感じだったぞ」と励ましてくれ、懐かしそうに長天カレーを食べてくれたことです。
この昼食作りは数年続きましたが、午前中の仕事が調理になってしまうため、中止となり、元の弁当持参に戻りました。
若手の先輩は文句を言ってましたが、自分は、やっとメニューを考える手間から開放され、内心ホッとしていたのを覚えています。
まあ、調理するために消防にいるわけではないので・・・
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それから約20年後、最近では当直隊にて週末限定で夕食を作るようになりました。
下っ端の頃は「料理のセンスが無い」と酷評された自分もいまでは、カレーやうどんのみではなく、パスタや中華料理(?の素使用)しょうが焼き等も作れるようになり、「シェフ」の称号も与えられるようになりました。
しかし未だに忘れられない「長天事件」恐らく先輩方はもう忘れていると思います。
いつか必ずあの幻のカレーを再びみんなに食わせてやりたいと思っています。
そうあの「長天カレー」を・・・・
11.9.18/8:25 PM
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