長谷川有貴子 管理栄養士 指定発言
食物アレルギーの起こる仕組み
- アレルギーは蛋白質の多い食品に多い。
- 蛋白質はアミノ酸がつながっている。蛋白質は口から胃・小腸へと進むにつれて分解され切り離されていくが、アレルギー体質の人や体調がよくない場合には、蛋白質は分解されずに小腸へ行き、そこで白血球などが集まってアレルギーが起こる。
検討項目は
- アレルゲンは何か
- 蛋白質の消化はきちんとされているか
- 胃液が不足していないか
- 小腸の壁が荒くなっていないか
- 小腸の壁が傷ついているとアレルゲンが通過しやすくなりアレルギーの原因となる。
予防のために
- 動物性食品は摂りすぎない
- 加工食品は摂りすぎない
- 鮮度のいいものを選ぶ
- 同じ刺身であっても鮮度が落ちるとアレルギーが起きやすくなる
- 食物繊維の豊富な野菜や果物を摂る
- 便通を整える
- ゆっくり咬んで食事をする
- 腸内細菌の善玉菌を増やす
- ビフィズス菌ヨーグルトなどを食べる
- 蕁麻疹が出ているときには香辛料や炭酸類はさける
- 症状を悪化させる
管理栄養士として
- アレルギーだからといって素人判断で食物制限をしてはいけない
- 栄養の偏りでさらに悪化させることがある
- 牛乳アレルギーなら、牛乳を抜かした上で牛乳に入っている成分(蛋白、カルシウムなど)を補える代替食品を食べるように指導している。
- スナック菓子は油分と添加物が多い
- ジュースも乳化物が多い
- かゆみが悪化することがある
OPS#2配付資料:
食物アレルギーについて
食物アレルギーとは
アレルゲンを含む食物をとることにより、体内でアレルギー反応が起こり、種々の症状を示す場合を食事性アレルギーという。アレルギーの発症には、遺伝因子が重要視されるが、食事摂取時の健康状態や感情、食品の鮮度、気候なども関与する。
〔原因〕
アレルゲンが含まれている食品は、卵、牛乳、肉類、魚介類、大豆製品などのタンパク質性食品が主で、そのほか麦、そば、ビール酵母、野菜、果物などたくさんの食品が原因になりうる。
〔症状〕
食事性アレルギーの症状は、あらゆる器官に起こる。症状のあらわれ方には、食物摂取後数分から1時間以内に発生する即時型と、数時間から1〜2日後に現れてくる遅延型がある。
1) 消化器症状:腹痛、下痢、嘔吐、口内炎など
2) 呼吸器症状:鼻炎、気管支喘息など
3) 皮膚症状:蕁麻疹、かゆみ、湿疹など
4) 神経症状:偏頭痛、めまいなど
5) 循環器症状:浮腫、頻脈など
6) 全身症状:違和感、だるいなど
〔食事療法及び予防〕
アレルギー疾患の食事療法の原則は、病因的抗原としてある特定な食事が確定されたなら、これは食べないということである。しかし、病因的抗原であっても、体調のよいときには症状を現さないが、疲労したときに食べると症状を現すような場合もある。食品は鮮度のよいものを用い、着色料、保存料、漂白剤のなどの食品添加物が過度に使用されていると思われる食品は避ける。さらに食べる量、食べる頻度の調節を行う。また、除去食品による栄養素摂取のアンバランスを防ぐために代替食品を利用するなどの指導も必要である。
牛乳、卵 | とくに生卵の白身 |
魚介類 | サバ、ニシン、サンマ、アジ、イワシ、サケ、マグロ、カツオ、エビ、カニ イカ、タコ、カキ、アサリ、ハマグリなど |
穀類 | ソバ、トウモロコシ、麦 |
野菜類 | タケノコ、ヤマイモ、サトイモ、ナス、ゴボウ、マツタケ、ホウレンソウ、フキ、ワラビなど |
肉類 | 豚肉、牛肉など |
果物 | イチゴ、レモンなど |
その他 | チョコレート、カラシ、ピーナツなど |
サバ、サンマ、カニ、カツオ、アジ、貝類、マグロ、イカ、サケ、イワシナス、タケノコ、ホウレンソウ、ヤマイモ、キノコ、フキ、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、ワサビ、インゲンマメ、エンドウマメ、ピーナツ |
サバ、アジ、エビ、カニ、カツオ、サンマ、貝類、マグロ、ヤマイモ、タケノコ、ナス |
参考文献
・食事療法事典(同文書院・浅野誠一、吉川政己、塩川優一、増田正典、小坂樹徳 編集)
・臨床栄養学(理工学社・医学博士 今井陽 著)
・ビタミンがすんなり分かる本(廣済堂出版 丸元康生)
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