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190518バイスタンダー心肺蘇生と口頭指導の有無による救命処置事案の長期生存率の検討

プレホスピタルケア2019年4月号 p74-5, 研究

バイスタンダー心肺蘇生と口頭指導の有無による救命処置事案の長期生存率の検討

田邉俊司

大津市消防局

著者連絡先

田邉俊司

大津市消防局警防課救急高度化推進室

室長

TEL 077-525-9903

目的

バイスタンダー心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation, CPR)は傷病者の長期生存率を向上させる。またバイスタンダーCPRを促すためには口頭指導が重要である。本検証は、バイスタンダーCPRの有無に焦点を当て検証症例を心原性のCPA症例に限定して口頭指導における長期生存率の影響について確認した。

対象と方法

大津市消防局における平成18年1月1日から平成28年12月31日までの心肺停止(cardiopulmonary arrest, CPA)事案でバイスタンダーの目撃がありかつ心停止の原因が心原性の538事案を対象とした。有意差検定はフィッシャーの正確確率検定を用いP値0.05未満を有意差有りとした。比較検討項目は以下のとおりである。

(1)一次救命処置(Basic life support, BLS)群とBLS無群

さらに65才以上と64才以下に分けても確認した。BLSがなされていた群を65才以上と64才以下に分けて確認した。

(2)口頭指導群と口頭指導無群

さらに65才以上と64才以下に分けても確認した。

結果

(1)BLSの有無

BLSがなされていた群を65才以上と64才以下に分けて確認した結果を表1に示す。全体としてはBLS群で長期生存率が高かったが、65歳以上では有意差はなかった。

全体としてはBLS群で長期生存率が高かったが、65歳以上では有意差はなかった。

(2)口頭指導の有無

口頭指導群と口頭指導無群の結果を表2に示す。口頭指導がない方が長期生存率が高かった。ただ64歳以下に限定すれば有意差はなかった。

口頭指導がない方が長期生存率が高かった。ただ64歳以下に限定すれば有意差はなかった。

考察

今回の検証で長期生存率を上昇させるのは①年齢が64才以下であること②BLSの実施があること、③口頭指導が無くてもBLSがなされていることであった。

口頭指導群は、救命処置を知らない事が前提であり、救命処置の質、救命処置の開始までの時間がマイナス因子となる。これが口頭指導ありが長期生存率減につながった理由とと考えられた。

口頭指導がなくてもすでにバイスタンダーCPRが行われていることが理想である。このためには救命講習会の受講者をさらに増やしていくことが求められる。次にBLSを知らないバイスタンダーに対しては、工夫しマイナス因子を減少させた口頭指導でバイスタンダーCPRを促すことが必要である。

結論

(1)口頭指導の有無で長期生存率に有意差を認めなかった。

(2)長期生存率が上昇するのは、①年齢が64才以下であること、②BLSがあること、③口頭指導が無くてもCPRがされていることであった。

(3)口頭指導の工夫等で救命処置の質や救命処置の開始までの遅れ等のマイナス因子を減少させる必要がある。

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