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191105救急隊員日誌(185)面白くなりそうな道を選んでみようか

月刊消防2019年10月号 p83
月に生きたい
「面白くなりそうな道を選んでみようか」
 こいつに非番なんてあるか?という救急隊員もいれば、最低限最小限をモットーに業務をこなす救急隊員もいるというスタイルは、私知る限り全国共通だ。これが良いか悪いかわからないが、私はどうかというと、数年前までむしゃらに打ち込んでいた外傷普及活動も今はそれほどでもない。なぜ変わってしまったかと周りから散々言われるが、それは「面白いと感じなくなってきた」からだ。今はそれよりも家庭が面白い。水泳が面白い。自転車が面白い。トライアスロンに挑戦しようかなとも考えていて、教育普及活動に注ぐ時間がもったいなく感じてしまっただ。そう、私は何よりも「面白そう」ということを基準に物事を判断するようにしている。

 そう思うようになったは、岡根房樹さん著「演劇手法によるセールス絶対的教科書」影響だ。これは、売れないサラリーマンがある日公園で出会ったホームレス男にセールス極意を叩きこまれて成長していく物語だ。ホームレス男は、気抜けたサラリーマン「桑森」にこんなことを言う。「人生は無限になる選択肢中から常に一つを選んでいる。多く人は無難な道を選ぶ。しかしおまえは一番面白くなりそうな道を選べ。無難な道でも、楽な道でも、正しい道でもない。大変かもしれないけど、面白くなりそうな道を選ぶんだ」読み進めていると、あるところで私はドキッとした。
 ある日、主人公桑森にホームレスがこんな課題を出す場面がある。「片っ端から女性に声をかけてナンパしてこい。」
 こセリフ、私が若いころに“先輩に言われたセリフと全く同じ”だっただ。昔はよく職場先輩に海水浴に連れ出された。目的は先輩が気に入った水着女子と仲良くなりたいからなだけど、私たち若者は当て馬役にされるだ。イケメンでもない私はこれが苦痛で仕方なかっただが、物語桑森」にとっても同じようで、ホームレス師匠に「2人しか声が掛けられなかった」と報告する。
 師匠は言う。「俺はナンパをしてこいとは言ったが、ナンパを成功させてこいとは一言も言っていない。おまえは、ナンパするなら成功させなきゃと思い混んでいるだろう。それで声をかけるタイミングを無くした。そしてかわいい子からキツい言葉で断られ、挑戦しようと言う気持ちにブレーキがかかった。」
 これは桑森にとっても私にとっても図星だった。そうなだ。私たちも、こ主人公ように、小さい頃から夢を語ったり、新しいことをやろうとすると、「失敗したらどうなるか」を考えてしまい、「今実力で行けるところにしなさい」と言われてきた。「失敗してもいいからやってみなさい」と言う大人はほとんどいなかったではないか。だからいつ間にか挑戦することに心理的なブレーキがかかってしまう。
 そブレーキを外す魔法言葉を桑森は師匠から教えられる。それが「面白がる。」断られたら、断り文句をネタ帳に書いて面白がる。そんな言葉をたくさん集めて、将来成功体験を語るネタにする。いや、たとえ成功しなくても必死に頑張った人を誰がバカにするだろうか
 「無理だからやめとき」と周囲から言われて、主人公が何も挑戦しないドラマはきっとつまらないだろう。外傷普及活動はいつしか私にとって“無難な道”になり、トライアスロンが“面白くなりそうな道”になっただけである。
 いつだって主人公は自分。周りから何と言われようが、これからも面白くなりそうな道を選んでみようか。
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