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200105今さら聞けない資機材の使い方(79) 圧縮空気泡消火装置(CAFS) (南但消防本部養父消防署 守本圭祐)

雑誌「近代消防」2019年12月号

今さら聞けない資機材の使い方
圧縮空気泡消火装置(CAFS)

1.はじめに

写真1(南但消防本部養父消防署)

はじめまして、兵庫県北部に位置する南但消防本部養父消防署(写真1)の守本圭佑と申します。


私の所属する南但消防本部は平成25年4月1日、養父市と朝来市の2市による広域消防として発足しました(写真2)。

管内人口は約5万4000人、県下で3番目に広い826㎢の管轄面積に1本部・2署・2出張所を配置し管内の安全安心を守っています。
写真2(管内図)

管内には氷ノ山や鉢伏山といった高峰、日本のマチュピチュと称される天空の城「竹田城跡」、明治期の日本の近代化に大きく貢献した生野銀山、さらに関西地方屈指のスキー場など、豊かな自然や史跡に囲まれ、1年を通じて多くの登山客や観光客で賑わっています(写真3)。


写真3(天滝)

今回の「今さら聞けない資器材の使い方」では「株式会社モリタのミラクルCAFS(MMC3600)」について執筆させて頂きます。
当本部では平成22年度にCAFS付化学消防自動車を導入して以来、現在4台のCAFS付消防自動車(写真4)を配置しています。


写真4(水槽付化学消防ポンプ自動車)

2.CAFSとは

CAFS(Compressed Air Foam System)とは圧縮空気発泡装置といい、水と消火原液の混合液にコンプレッサーで加圧した空気を注入し発泡させるシステムです。火災の種別に応じて、通常の水放水から、泡放水による消火活動に容易に切り替えることができます。また、CAFSで使用する「クラスA」消火原液は、これまで水放水だけでは対応困難であった疎水性物質(樹脂、ゴム系)や小規模油火災など多種多様な火災に対応することが可能です。

3.CAFSの有効性

CAFSによる消火の主な有効性について紹介します。
・節水・水損防止
混合液を消火泡化して使用するため、消火水量を節約することができ、600Lの水量で約10,000Lの放水と同等の消火能力があると言われています。
・窒息・冷却・再燃防止
放水した泡が対象物に付着することと、消火原液に高い浸透性があることにより、窒息効果はもちろん、効果的に燃焼面を冷却できるほか、再燃防止効果もあります。
・隊員の負担軽減
空気泡の状態で送水するため、ホースの重量が軽く、取扱いが容易であり、少人数での消火活動が可能です。

4.泡の種類が選択可能

CAFSは水と消火原液、空気の混合比率(WET・DRY)を変えることができ、燃焼物及び燃焼状況に応じた泡性状の選択が可能です。

WET
水に対して5倍~10倍の空気が入る水分が多い泡です。冷却能力、流動性、浸透性が高いのが特徴で後述のDRYと比較すると、放水射程が長く、遠方への放水が可能です。

放水射程の比較, WET

放水射程の比較, DRY

↑泡性状の比較, WET

↑泡性状の比較, DRY

DRY
水に対して16倍~20倍の空気が入る水分が少ない泡です。付着力が高く、泡が流れにくいのが特徴で、延焼防止や残火処理などに効果的です。空気が多く風の影響を受けやすいため遠方への放水は不向きです。
※泡の性状はノズルの口径や形状によっても変化します。

5.使用方法

・ホースが水泡兼用の吐水口(写真9)に接続されていることを確認する。


写真9(水泡兼用吐水口)

※水泡兼用の吐水口に接続することにより、水放水からすぐに泡放水に切替が可能
※水放水中であれば放水を停止後、CAFS切替操作を行う(吐出口、吐水口をすべて閉じる)
・モニターのメニューボタン(写真10)を押す

写真10(モニターメニューボタン)

・ミラクルCAFSボタン(写真11)を押す


写真11ミラクルCAFSボタン

・スロットルが安全回転まで下がっていることを確認後、CAFS切替ボタン(写真12)を押す


写真12 CAFS切替ボタン

※ポンプ圧力は0.8MPa以上1.5MPa以下
・倍数(DRYorWET)、濃度(0.3%~1%)を設定(写真13)し放水準備完了


写真13設定画面

※長時間の放水活動になり、積載している消火原液がなくなれば、専用ホースで消火原液と外部吸液口を接続し、直接消火原液の補充が可能(写真14)


写真14専用ホースで消火原液の補充が可能

6.泡の成分

CAFSで使用する泡の成分は、石鹸やシャンプーと同じ天然成分由来の界面活性剤を主成分としています。放水後の泡は自然と消え、環境に優しいものとなっています。

写真15放水後の泡は自然に消える

7.おわりに

今回は株式会社モリタのミラクルCAFS(MMC3600)を使用し、執筆させていただきましたが、艤装メーカーにより使用方法は異なります。
CAFS泡消火は、水消火と同等以上の消火効果があり、延焼防止や水損防止、再燃防止効果にも優れています。また、火災原因調査での油分の検出に与える影響も小さいため、原因認定にも支障がないと言われています。
火災の種別に応じ、最適な放水方法を選定して早期に火勢鎮圧、鎮火させ、市民の生命と財産を守っていただきたいと思います。ありがとうございました。

参考資料)
【ミラクルCAFS】MMC3600取扱説明書

次回は「チェンソー」です。

著者
氏名:守本圭佑(もりもとけいすけ)
所属:南但消防本部養父消防署
出身:兵庫県養父市
消防士拝命:平成28年4月1日

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