220424_VOICE#69_救急隊の管理部門

 
  • 433読まれた回数:
主張

 

月刊消防 2021/010/01, p76

月刊消防「VOICE」

救急隊の管理部門」

 

 名前:甘田 明広(かんだ あきひろ)

 所属:高崎市等広域消防局

 出身:群馬県高崎市

 消防士拝命:平成5年

 救命士合格:平成13年

 階級:消防監

 趣味:釣り(プロ級)、野球観戦



私は、救急課という救急業務を管理統括する部門に所属しています。「VOICE」に救急管理部門の寄稿もたまには良いかなと思い、当消防局の救急管理部門がどのようなことをしているのか代表的な項目を書かせていただきます。



1 救急隊教育:近年、指導救命士制度ができてから、できることが増えてきましたが、指導救命士に一任するのではなく、方向性を出して依頼・相談させてもらっています。

2 救急資器材管理:効率化を図っていますが、無駄が出てしまうのが現状です。SPD(Supply Processing and Distribution, 資器材管理委託事業) の導入など、他の消防本部から情報を得て無駄のないものとしていきたいと思っています。

3 更新救急自動車の仕様書作成:当消防局では、更新救急車の仕様書を救急課で作成します。これは、現場の声を吸い上げてより良い資器材を採用していくと同時に異動等で慣れない救急車に乗車したとしても躊躇なく活動ができるようにある程度の一貫性を持たせています。

4 救急隊搬送困難事例の対応:頻回要請者・精神疾患傷病者・クレームへの対応等を行っています。関係各機関と連携を取り問題解決に動きます。このような事例は、地域MC(Medical control)の症例検討会にも議題としてあげさせてもらい、当消防局の救急隊が同じ対応ができるようにしています。

5 救急事案照会について:救急事案については、裁判所や警察、弁護士などからの照会、マスコミ・市民からの問合せなど非常に多くあります。特に照会については、救急活動記録票が正確に作成されているかが問題になってきます。当消防局では、救急活動記録票の重要性を認識してもらうため、照会以外の問合せでも活動記録票の提出を求め救急隊員に緊張感と責任を持って記載してもらいます。

6 災害医療研修(訓練)等の企画:当消防局では近年大きな2つのバス事故を経験し、特に力を入れて対応能力の底上げを図っています。2つのバス事故ともに若い命が多く失われ、「この経験を無駄にしてはいけない。」という強い決意の下、高崎消防全体で災害に取り組んでいます。 

 その他、病院との調整やMC関係、議会対応等色々あり、日々対応に追われています。救急管理部門として行う業務の全ては、市民の安心安全を守るためであると同時に隊員の安心安全に繋がると信念を持ち、業務遂行をしています。




最後に令和4年1月27日(木)、28日(金)群馬県高崎市のGメッセ群馬で「第30回全国救急隊員シンポジウム」が開催されます。



会場のGメッセ群馬は、昨年オープンし、上越北陸新幹線の停車駅であるJR高崎駅から徒歩15分以内の距離にあり、東京駅から1時間程度で会場に到着できる大変アクセスの良い施設です。そのGメッセ群馬1施設10会場を使用した過去最大規模の全国救急隊員シンポジウムとなります。

 プログラムは大変興味深いものを準備しています。ガイドライン2020、新型コロナウイルス感染症について等の講演を5枠、災害対応やPTSD、DNAR等の救急業務に関する諸問題にスポットをあてた討議セッションを18枠、スキル系を4枠、一般演題発表も31枠217演題発表をご用意しています。特に当消防局は、関越自動車道バス事故、軽井沢町スキーバス事故といった大きなバス事故を経験し、災害に対する思いが強いため、災害関連のセッションやスキル系を例年より多く設定してあります。

参加者には、どれを聴講するか惑わせてしまうかもしれません。 



メインテーマは、

「アジャスト 対応力を磨き救急の未来へと紡ぐ」~縁起のいい街 高崎から~



 是非、縁起のいい街 高崎へお越しになってください。



  



主張
スポンサーリンク
opsをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました