月刊消防 2024/10/01, p80
さーとらちゃん
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「時の流れ・アップデート」
今から二十数年前に救急隊員に任命され、数多くの上司、仲間、後輩と日々の訓練、現場活動を共にしていきた。
若い時は、右も左も解からず上司に言われるがまま業務を見よう見まねで何とかこなし(内容が伴っていたかは別だが・・・)、訓練、現場では体力にものを言わせ我武者羅に乗り切ってきた気がする。
20代、30代、40代、間もなく50代に差し掛かって思うことが変化してきている自分に気がつく。
20代のころ、「今の若い奴はだめだな、そんなこともわからないのか?できないのか?」と先輩、上司に言われ、笑われ、なにくそと思いながら「今に見てろよ!」と思っていた。
30代になり、少しずつ仕事の中身や進め方を理解し始め、後輩が増える。その後輩との他愛もない会話のなかで?と思うことが始まる。
40代になり、それなりに責任があるポジションでの訓練、現場活動、通常業務をこなし、
20歳も歳の離れた職員と業務、現場活動に汗を流し、業務中の会話や休憩時の雑談のなかで??と思うことが増え、40代後半になると「?」の数は「???」と数倍になった。そんな時、これが時代の変化なのか・・・と自分で自分を納得させていた。
では、時代の変化とは一体何なのか?自分なりに長い間自問自答した結果、答えは出た(単なる自己満足であるとは思うが・・・)。それぞれ各年代で幼少期、学生時代、社会に出た頃の時代背景や教育方針、世間の常識といわれるものが少しずつ変化し、それが世間の常識となり、組織、職場の考え方となってきたのではないかと。
色々な場面で、「これからは若い人の時代だ」「若い人が頑張らないと変わらない」「若い人がもっと意見を」等を見たり聞いたりする。このような発言をする人の大半は、年配の方や職場の上司といわれる年配の人だが、言っているだけで実際に若い人の意見をどれだけ理解出来ているのだろうか?これを読んでいる方で、違和感を覚えた人はいないだろうか?
組織や職場では、大概の場合、役職と職員の配置はピラミッド型になっているはず。ではピラミッドの底辺を形成している年代はというと、そう、10代後半・20代の人達ではないだろうか?組織の中で絶対数が多い世代が歩んできた時代背景のなかで、知らず知らずに身についている考え方や常識を否定したり、昔からの考え方を押し付けているのは一体誰だろうか?
救急活動、隊員育成も時代の変化に対応するために、自分の頭の中をアップデートする必要があることに気づいた今日この頃。
<後記>
でも、でもですよ、古き良き消防の歴史は、確実に繋いでいかなければ、消防魂がいつかなくなってしまいます。良い悪いは時代によって、その価値観が変わるものもあると感じた、40代最後の春でした。
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