251116_VOICE#109_消防官が行うボランティアについて

主張

月刊消防 2025/02/01, 47(02)通巻548、p76

月刊消防「VOICE」

 


私は19歳の時、東日本大震災を経験し津波で自宅が被災しました。その時、多くの方々に支援していただいたおかげで今の自分がいます。被災した当時は、生活再建の先が見えない中、津波で使用できなくなった家財や生活用品を一輪車で廃棄場所まで運ぶ毎日で、途方に暮れていました。そのような中、全国各地や海外から災害ボランティアの方々が来てくださり、私たち被災した住民に明るく声を掛けながら活動してくださったことを、今でも忘れません。

被災した経験から、市民の生活を守る消防士を目指し、平成26年に念願の消防士となりました。それから、7年が経過した令和3年の福島県沖地震の被災地で災害支援を行うNPO団体の方々(DRT-JAPAN、DEF-TOKYO及び災害救援レスキューアシスト)と出会いました。元々、ゴミ拾いなどのボランティア活動は行っておりましたが、「技術系ボランティア」という消防士だからこそ行える技術的支援があるということを知りました。支援内容としては、ロープを使用した高所作業の技術を活用して、地震でずれてしまった屋根瓦を元に戻す活動や、重量物のムービングなどでした。私たちが、日頃から訓練している内容をフル活用して、困っている住民の復興の手助けが出来るということは、被災した経験がある私にとっては、とてもやりがいを感じる活動でした。

令和5年の台風13号により被災した際も、NPO団体の方々が本市に災害支援に来てくださり、重機を使用した土砂搬出活動や、浸水してしまった家財等の搬出活動などを共に実施したことで、復旧活動が迅速に進み、被災した住民の方々も大変喜んでくださりました。

NPO団体の方々は、災害支援活動を行うだけではなく、災害に強い消防士を育てることもモットーとして活動しているため、平時から消防士向けに重機やチェーンソーの講習会を開催し、効率的な活動方法などを指導してくださいます。

令和6年能登半島地震の被災地では、全国各地から消防士が災害支援に向かい、今まで学んだ知識及び技術を活用し、被災した方々の生活再建に向け活動するなど、支援の輪が広がっています。

今年度もNPO団体の方々と重機等を使用し、石川県では道路啓開活動をはじめ、住民の方々の思い出の品や車両等を倒壊家屋から取り出し、山形県では土砂搬出活動など、災害現場さながらの活動をしています。

近年、全国各地で大規模自然災害が頻発しており、その度に我々消防機関は出動し、助けを待つ住民の方々の生活を守らなければなりません。被災現場で災害ボランティア活動を実施することは、災害活動の技術を身に付ける一番の近道であり、被災した方々の生活再建の手助けとなる素晴らしい活動だと思います。

皆さんも勇気を出して一歩踏み出してみませんか。

プロフィール

名前:新妻拓弥
ふりがな:にいつまたくや
所属:福島県いわき市消防本部小名浜消防署(高度救助隊)
出身地:福島県いわき市
消防士拝命年:平成26年
階級:消防士長
趣味:DIY、家庭菜園
主張
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