手技77:アクシデントを防ぐメンテナンス
講師
炭谷貴博(すみやたかひろ)
南宗谷消防組合中頓別支署
救急救命士
日頃何気なく使っている救急資機材でも、気がつけば可動部分の油が切れて少しずつ動きが悪くなったり、救急車走行中の振動によりネジがゆるんだりしているものです。救急現場でのアクシデントを少しでも少なくするために今回はストレッチャーのメンテナンスを中心に解説します。資器材を長持ちさせるためにも、定期的にメンテナンスすることをお勧めします。 | |
1 準備するもの | |
ジェル状のグリス スプレー式のグリス、スプレー式の潤滑剤、ウェス、ラテックスグローブ、工具 | |
2 メインストレッチャーのメンテナンス | |
ストレッチャー部分ストレッチャーガイド、固定ノブと可動部分にスプレー式のグリスを塗る。グリスを塗った後に数回動かし、グリスをなじませる。その後余分なグリスをウェスでふき取る。 | |
上半身部分の可動部分上半身部分を起こして可動部分を見えるようにする。 | |
古いグリスをウェスでふき取る。 | |
潤滑剤を吹き付けてからふき取るときれいにふき取れる。 | |
新しいジェル状のグリスを塗る。その後可動部分を数回動かしグリスをなじませ、余分なグリスをふき取る | |
細かいところは、スプレー式のグリスを塗る | |
下半身部分の可動部分 可動するジョイント部分へグリスを塗る。下半身部分のスライド部分は、スムーズに動くような加工がされているので油を塗る必要はない。 |
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架台部分(アンダーキャリッジ)ストレッチャー部分をはずす。ストレッチャーを上下させるレバー部分は、上下させるときにスライドするので、スライド部分にグリスが塗られている。古いグリスをふき取る。上記と同様に潤滑剤を吹き付けてからふき取るときれいに取れる。 | |
新しいグリスを塗る。可動部分を数回動かしグリスをなじませる。その後余分なグリスをふき取る。 | |
各ジョイント部分とタイヤ部分へグリスを塗る。 | |
各部分のネジを締め、ゆるみがないかを点検する。締め過ぎに注意。特にタイヤ部分はネジを締めすぎるとタイヤが動かなくなるので注意が必要である。 | |
3 スクープストレッチャー | |
左右のウィングを接続するロック部分と長さ調整のロック部分ににグリスを塗る。長さ調整のスライド部分はスムーズな加工がされているのでグリスは塗らない | |
4 救急車のドアメンテナンス | |
フロントドア、バックドアの蝶番部分にグリスを塗る。塗った後は数回動かし余分なグリスをふき取る | |
サイドのスライドドア、ステップ下のレール部分の古いグリスをふき取る。潤滑剤を塗ると取りやすい | |
ジェル状のグリスを塗る。塗ったグリスを指で適度にのばす。ラテックスグローブなどを着用して塗ると手が汚れなくて便利である。 | |
3箇所あるローラー部分にグリスを塗る。数回ドアを動かしグリスをなじませ、余分なグリスをふき取る | |
まとめ メンテナンスは「重いかな」「動きが悪いかな」と思った時にすぐやりましょう。軽く動ききっちり止まることは傷病者の安全に繋がるばかりではなく、私たち救急隊員にとっても事故や疲労から身を守るために重要なことです。 |
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07.3.20/5:20 PM
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