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「人生80年=24時間」

「人生80年=24時間」

2018年2月25日日曜日

「救急救命士として現場に出動できるのは、あと何年だろうか。」

 昼休み。同僚の救急救命士とそんな話をしながらコーヒーを飲んでいた。私の消防歴はおよそ15年。小隊の当務責任者は大体40歳前後で、副署長が45歳前後。このくらいの職になると、救急車に乗ることはほとんどない。もし私がこのまま順調に階級が上がったとすると、救急隊として現場に出動できるのは、最短で5年といったところか。こう考えるとなんだか憂鬱な気持ちになってしまう。あと5年で救急車から降りる日がきてしまうのか・・・。

 救急隊は、救急隊長になってからが一番面白い。私の尊敬する救急救命士からそのように教わったことがあるが、まさにその通りだと思っている。言い方は悪いかもしれないが、使う側と使われる側はやっぱり違う。これまでの消防人生で、今が一番楽しいと思われる仕事をしている私。でも今は、救急隊長を楽しむということよりも、救急車を降りることの不安が日に日に大きくなっている。

 「人生80年=24時間」

 PTA総会の日、校長先生が後ろにあったホワイトボードを引き寄せ、大きな字でそう書いた。「私は55歳です。これを24時間で考えると、だいたい夕方の4時過ぎになりますね。5時過ぎには退社しますから、私の教育者としての仕事はあと1時間と少し。大詰めですね。これまで集大成を今後にどう繋げるか考える時間帯にいます。」「小学1年生は夜中の2時です。お父さんやお母さんと一緒の布団の中。いろんな夢を見る時期ですね。6年生は朝の4時です。おしっこに起きるかもしれませんが、また布団に戻るでしょう。高校生でようやく6時、成人で7時前。朝ごはん食べて家族から離れる時間帯になります。」一生を24時間と考えると小学生のうちはまだ寝ているのだから、いろんな夢を見させて欲しい。保護者も力を抜いて欲しいというメッセージだった。

 私は30代半ば。24時間に置き換えると、ちょうど12時くらいを生きている計算になる。午前中の業務を終え、救急出動はすでに数件をこなしているだろう。昼飯を食べたら13時までは休憩時間。年齢に置き換えると、36歳から39歳がこの休憩時間に相当する。

 この3年の過ごし方はきっと重要だ。休憩はそこそこに午前中を振り返り、午後に向けて計画し直すのが普段の昼休み。とすると人生でもやはり同様に、これまでの仕事を振り返って、40歳からの自分について考えなければならない時期にきている。先輩の仕事の進捗具合も、後輩の成長も、私がこの3年をどう過ごすかによって大きく変わってくるということか。

「誰でもいつかは救急車を降りるときはくる。」

「救急車ばかりが救急救命士ではない。」

 同僚の救急救命士とそんな話をしていると、救急車に乗れる年数なんてすごく小さいことのように感じてきた。そんなことで悩んでいるよりも、今しかできないこと、自分が本当にやらなければならいないことを考えるべきで、そのやりたいことを数年のうちには導き出さなければならない。救急車がどうとか言っている場合ではない。大事なのはその経験をこれからどう活かすかということだ。

 この一生24時間の考え方は、「人生時計」というらしい。検索すると、生まれた日を入力するだけで今どの時間を生きているのか一瞬で表示してくれるサイトにたどり着ける。

 私の昼休み。ただ寝て終わりというわけにはいかないようである。

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