071003ただならぬ夫婦喧嘩
OPSホーム>救急隊員日誌目次>071003ただならぬ夫婦喧嘩
071003ただならぬ夫婦喧嘩
作)田舎っピープ
携帯119番通報。男の声で電話持ちながら喧嘩しているのか、凄い興奮した通報。
「精神状態がおかしいから精神病院へ連れてって」
現着すると、静かに落ち着いているような感じ。ソファの上に、女性が伏せてるのか倒れてるのか、腹臥位だった。
旦那と思われる男の申し立てだと、
「精神状態がおかしくて暴れたので、力ずくで押さえた」
のこと。掛かり付けは○○病院の精神科らしく、薬袋提示する。通報者と名前が違うので、
「奥さんでないの?」
と尋ねると
「内縁関係です」
という。
病歴は男がいうには「鬱病」
「それだけでは救急搬送できないですよ」
「去年○○市でも同じ事言われた」
「そうでしょうね。今回は何でこうなったの?」
「犬ばかり可愛がって俺は犬以下かと言うことで口論になった」
確かに可愛い犬2匹がちょろちょろしてる。
「奥さんに話聞いていいですか」
「いいよ。だけどこいつは警察や救急が嫌いだから暴れるかもしれない」
この男酒臭いので、女性に聞くしかないと思い、恐る恐る、でも自分としては最大に優しくを意識して側に寄り問いかけすると、泣きながら答え始めた。
(よ〜しこれからはこちらのペース)
「何か変なことないですか」
「ここが痛い」
襟から肩を出し打撲痕を指さし必死に目で訴えるのが読めた。
自分の心の中で、
(何だこの男の暴力でないか)
これは二人を引き離すしかないと思い
「奥さん、肩を痛がってるから救急車に乗せるから」
「俺はどうすれば」
「一緒に行っても良いけど、まず救急車で奥さんの話聞きますから」
車内収容後、女性はしゃべり出した。
「酒を呑むたびに暴行を受けてる。精神的に参ってる」
「それでは身内に相談できる人はいないの」
「いないです」
「肩や首の痛みがあるのでまずお医者さんに見てもらい、その後、警察に相談しましょうか」
「お願いします」
車外で待っている男には、
「肩を痛がってるから病院に連れて行きます。あとから連絡入れます」
と伝えると
「何だその事務的なやり方は」
私は無視して現場を出発した。
収容病院で、
「夫婦間暴力、DV の可能性もあります」
と、伝えると、先生も看護師もよく聞いて下さり。警察にも介入して頂けた。
たとえ夫婦でも暴力は犯罪です。DVは疑うことが大切です。この事例では落ち着いたカウンセリングを心がけました。自分としては100%の対応ができたかな?と思っています。
OPSホーム>救急隊員日誌目次>071003ただならぬ夫婦喧嘩
08.10.12/9:39 AM
]]>
コメント