080506田舎消防の救命士養成
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080506田舎消防の救命士養成
作)おっぱっぴー!
自分が救命士になるまでの話です。
我が田舎消防では、まず初めに誰を研修に派遣するかの人選から始まりました。いろいろ人選の方法はあると思います。管理職が決める、行きたい人が立候補する、職員会議等で相談し決める、など。自分のところは職員会議で誰が行くか決めることになりました。会議で出たのは「救命士になって何年勤められるか」「研修で習ったことを指導できる立場の人」の2点。
会議でいろいろと議論になった結果、自分が行く事に決定しました。勤務年数を考慮してというのは納得できましたが、「指導的立場」というのはかなりの不安がありました。というのも、そういう立場で仕事をした経験がなかったからです。ちょっと考えたけど断るものもったいないし、会議で決まったことだし、救命士に興味もあったので軽い気持ちで引き受けてしまいました。
研修所に行くのはこの決定から1年以上あり、勉強するにはたっぷり時間がありました。だけど余裕をかましているとあっという間に過ぎそうだったので、テキストを読むことから始めました。勉強は仕事を終わらせて空いた時間に職場でやってみたり、休みの日は家で空いた時間を利用してやりました。
研修に行く半年くらいから、研修所での勉強に準じて国家試験、研修所の過去問をやってみました。自分としては自信満々で問題を解きだしたのですが、ショックを受けるぐらいできませんでした。
「俺は今まで何をやっていたのだろう」
自己嫌悪に陥っているところにさらなる追い打ちが。
他の職員から
「お前、仕事さぼりたいから勉強しているのか?」
さらには
「そんなに勉強しているところを見せたいのか。嫌味か?」
などの言葉を浴びせられたのです。
自分では全然そんなつもりはないのに。仕事を終えてから空いている時間に勉強しているつもりで、決して仕事を放っておいてたわけではないのに。「指導的立場」じゃないと勉強してはいけないのか。
この言葉は悔しくて悔しくて、その場で猛反発したかった。だけど冷静に考えました。ここで反発して勉強できる環境を少なくしてしまったら逆効果。言い返すことはやめて、我慢してその言葉を聞き流しました。
でもこの言葉が意外なことに活かされることになりました。夜遅くまでやっていると、集中力もなくなるし、睡魔にも襲われます。そんなときあの言葉を思い出すと悔しさが込み上げてきて、30分は眠気がすっ飛ぶのです。かなり強引な活用法ですが、そのお陰かまずまずの点数が取れるようになりました。
今思えば、事前勉強をやっている時期が一番辛かったと思います。というのも、自分がどのレベルにあるか比較ができず、毎日不安との戦いでした。研修所に入ると、みんな目指すところは一緒なので、安心感があったように思います。救命士に行かれたみなさんはどうでしょうか?
この経験で自分が思ったことがあります。職員数の少ない田舎消防で消防職員が救命士を目指すということは、研修に行く人は事前に知識を詰め込む苦労が、他の職員は1名少ない中で業務をこなさなければならない苦労あります。行ける人は「研修に行かせてもらう」、行けない人は「研修に行ってもらう」という気持ちをお互いに持つ事が非常に大切だと感じました。何に関してもお互いを思いやる気持ちをこれからも忘れないでいたいものですね。
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08.5.6/11:56 AM
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