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181110_救急隊員日誌(175)_「検証」と聞くと蕁麻疹が出る

月刊消防2018/11, p102

救急隊員日誌

作)ウルトラマン

 「検証」という言葉は、民事訴訟や刑事訴訟に出てくる言葉ようで、裁判所か捜査機関が行うもとされている。

それだからだろうか私はこ「検証」という言葉がどうも好きになれない。“あ活動、検証にかかったらしいよ”という噂が耳に入るとさすがに蕁麻疹は出ないが、いい思いはしない。

 救急活動検証はとても大切なことはわかっている。

ただでさえ多い救急要請。ただひたすら出動をこなすだけでは、活動が果たして良かったか悪かったかわからないまま、ただ時間だけが過ぎ去ってしまう。私が消防に入った20年程前、消防に「検証」という言葉はなかったではないか。救急活動に検証票というもが使われだして、それから検証という言葉が救急隊に広まったかもしれない。

 ある失敗事例を検証する際、

よくある手法は物事が悪い方向へ向かった原因をしらみつぶしに抽出することだろう。現場滞在時間が長くなってしまったことを取り上げた場合は、「関係者聴取に時間をかけ過ぎた。」「特定行為準備が遅かった。」「他隊員動きをよく考えて動かなかった。」といった項目が上がる。これは非常によくある検証方法で、現場滞在時間が長くなる要素をひたすら挙げていって、一つ一つ解決策を検討する方法だ。症例検討会では、どうしても吊し上げるような形になってしまうで、出動した隊員は検証アレルギーを発症してしまう。

 「Safety-Ⅰ & Safety-Ⅱ」著者であるエリック・ホルナゲルは、

社会技術システムで生じる事故やトラブルは、危険やリスクにつながる要因を取り除くという従来方法では避けることができないとして、以下ように述べている。「うまくいかなくなる可能性を取り除くではなく、うまくいく理由を調べ、それが起こる可能性を増大させることが重要である。」と。”うまくいかなくなる可能性を取り除く”方策を“Safety-Ⅰ“、”うまくいく可能性を増大させる”方策を“Safety-Ⅱ“と定義した上で、エリック・ホルナゲルは“Safety-Ⅱ”必要性を指摘している。

 確かに、事故はそもそも複数要因が重なって発生するもだから、原因を突き止めることは非常に難しいだろう。

Safety-Ⅰに基づいていくら時間短縮ため対策を考えても、原因が判明しなれば滞在時間は長いままで改善しない。今回は現場滞在時間が延長したことを理由にして、10回うち1回が検証対象になったが、それまで9回は上手くいっていたという事実がある。たった1回失敗事例を検証するだけでなく、それまで成功していた9回活動にも注目し、適切な救急活動を実施するためにはどようにすれば良いか多方面から検証してみるがいいではないだろうか。

 検証を受ける私たち救急隊員から見ても、

うまくいかなかった内容だけを検証されるより、これまでにうまくいっていた活動にも注目していただけると気持ち的にも楽になる。私たち不治病「検証アレルギー」も、もしかしたら“Safety-Ⅱ”で克服できるかもしれない。

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