月刊消防 2022/07/01, p86
CES-66
弱い組織とは、悪い報告が集まらない組織。そう説明するのは、東日本大震災の原発における災害活動で、指揮官を務めた筆者の髙嶋氏だ。悪い報告が集まらないと言うことは上司に遠慮しているということであり、上司の機嫌が隊の最重要事項で、重要な報告もタイミング次第。僕が知っている限り、このような職場では皆辛そうに仕事をしているが、皆さんの隊はどうだろう。それでは、髙嶋流の強い組織とは何か。悪い報告が集まる組織と言うことか。いや、そうではない。髙嶋氏はこれを、「諫言する組織」であると説明する。上司に根拠ある意見を言うこと。間違った考えを持つ上司を、正すことができる組織ということだ。そして指揮官に、諌言を受け入れる懐の深さがある。こういった組織を”強い組織”だと髙嶋氏は言う。これは、海上自衛隊で任務を40年間果たしてきた男が、指揮官について語る一冊である。隊長クラスの消防士にお勧めしたい。(390字見た目に反して、この本は決して難しくない。(398字)
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