月刊消防 2023/05/01, p86
CES-66
気管挿管が法律で認められていなかった当時、ある地区では救急救命処置として気管挿管が行われていた。ある日、人事異動で赴任してきた医師が気付く。「救急救命士が気管挿管を行うのは違法ではないのか。」この後、この逸脱行為は複数の県でも行われていたことが発覚し、全国的な問題としてマスコミが取り上げることになっていくのである。本書は、救急救命士の“気管挿管は是か非か”“守るべきは法か命か”という議論が続く中で、救急隊を抱える消防本部の現場責任者が書いた本だ。法を犯した事実を明らかにした上で、なぜそのような選択をしたのかを示しながら今後のあり方が述べられている。「当時とは立場も経験も違うから、感じ方もきっと違う。」私はそのように思ってこの本を手に取った。あれから20年。あの頃に比べたら格段に良くなったこともあるし、全く変わっていない部分もある。皆さんはどのように感じるだろうか。いつの時代も歴史から学べることは多い。
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