中級編3 房室ブロック

 
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基本手技

中級編3 房室ブロック

ブロック自体は失神を除いて救急搬送の対象になることはないでしょう。しかし、覚えていて損はないものです。

房室ブロックとは、心房と心室の間に電気的な障害があって、電機が伝わるのが遅い、もしくは伝わらないことを言います。心電図ではP波とQRSの間の伝わり方に障害があります。

房室ブロックはI度、II度、III度に分けられ、III度は失神から心停止までを起こす可能性があるのでペースメーカーを埋め込みます。


I度ブロック

下↓の心電図はどこが変でしょうか。

P波とQRS波がえらく離れていることに気づいたでしょうか。

P波の初めからQRSの初めまでのPQ間隔が5マス(1マス0.04秒 x 5マス =0.2秒)までは正常で、それを越えるとI度の房室ブロックです。この心電図の場合には8マス(0.3秒)もあります。

治療は通常必要ありません。


II度ブロック

下↓はどこが変でしょう。

PとQRSの間隔が伸びていってついにはPは出ているのにQRSは消失してしまいます。

これはII度房室ブロックで、このタイプをウェンケバッハ型もしくはモービッツI型(いちがた)と言います。これも治療は通常いりません。

同じように見えても下↓は違いますよ。

違うのは、PとQRSの間隔が伸びていかないのに突然QRSが消失するところです。

これもII度房室ブロックでして、このタイプをモービッツII型(にがた)といいます。これはだんだん進行していってついにはペースメーカー埋め込みになることが多いようです。


III度ブロック

下↓はP同士の間隔とQRS同士の間隔に着目してください。

P波は裏返っています。P同士の間隔は一定、QRS同士の間隔も一定、でもPとQRSは全く別々に出ています。

P波が全く心室に伝わっていない、III度(完全)房室ブロックです。QRSの形は細く締まっているので、QRSは房室結節から出ているようです。

完全房室ブロックがひどくなるとこうなります↓。

完全房室ブロックで、QRSは幅広いので心室調律です。で、突然QRSがなくなりました。Cの最後では基線がぐらぐらし出していますが、これは脳の無酸素による痙攣が起きたためだそうです。

こんなになったら命がないので、ペースメーカーの埋め込みを行います。


まとめ

  1. I度房室ブロックはPQ間隔が5マスより多い
  2. II度房室ブロックのウェンケバッハ型はPQ間隔がだんだん伸びていってついにはQRSが消失する
  3. II度房室ブロックのモービッツII型はPQ間隔は変わらず突然QRSが消失する
  4. III度房室ブロックはPとQRSが全く別々に出ている

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