250901救急隊員日誌(244)初心忘れるべからず

救急隊員日誌
月刊消防 2024/12/01, 46(12)通巻546号 p75
シャインマスカット

『初心忘るべからず』


今日は、消防学校で行われた初任教育の成果確認訓練査閲を見に行った。訓練礼式では、全速力で駆け足し、機敏にバッ、バッと動作をこなす新人たちの姿に目を奪われた。自分が消防士になったばかりの頃を思い出す。あの頃は、何事にも全力で取り組み、一つひとつの動作に気を張り、常に周囲を意識しながら行動していた。あの緊張感と責任感は、今でもはっきりと覚えている。

20年の経験を積み、ベテランと呼ばれる立場になった今、火災や救急現場での対応は、初任時とは比べものにならないほどの技術や知識が身についた。しかし、日常勤務においてふと感じることがある。それは、自分自身の動きに少し緩みが出てきているのではないかということだ。朝礼や引継ぎ交代の際に「気を付け」「敬礼」「なおれ」といった基本的な訓練礼式を行うが、果たして毎日、それを全力で行っているだろうか?

今日、新人たちの訓練を見ながら、自問自答せざるを得なかった。新人時代のように、一つひとつの動作に集中し、体全体を使って全力で行動しているかと言われれば、正直、そうではない。仕事に慣れ、技術が向上した分、どこかで「慣れ」が生じてしまっている。それが悪いとは言い切れないが、この慣れが少しずつ積み重なり、気が緩んでしまうことで、いつか現場で重大なミスを引き起こすのではないかという不安が頭をよぎった。

公務災害や不測の事故は、往々にして小さな気の緩みから起こる。自分はそれを痛感している。自分自身、現場で怪我をしたこともあるし、怪我をした仲間も見てきた。日々の動作や礼式に対して「これくらいでいいだろう」と思ってしまう瞬間が、実は大きな危険の兆候であることに気づかされた。新人たちの全力の姿勢を見て、初心に戻ることの大切さを改めて感じた。消防士という職務は、人命を預かる責任の重い仕事だ。その重責を全力で担う覚悟は、今も変わらない。しかし、日常の小さな動作や意識の持ち方が、現場での対応力に直結することを再認識し、気を引き締めなければならない。

「初心忘るべからず」、この言葉を肝に銘じ、日々の勤務においても常に全力で取り組むことが、これからの自分の課題だ。今日の新人たちの姿が、自分にとっての戒めとなり、再び気持ちを新たにするきっかけとなった。初任のみんな、ありがとう。もうすぐ現場に来たら、全員、仲間だ。
この教訓を忘れず、初任職員に恥ずかしくない自分となるため、明日からと言わず、今日の勤務から心新たに!まずは、朝礼から!

あ、この気の緩みが体重増加や高血圧にも繋がっているかもしれないと思うと、生活習慣も少し気を引き締めないといけないな。
それは、明日から頑張ろう、うん、明日か明後日から。

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