151109今川秀樹(札幌市消防局)病院実習は目的を持って

 
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主張

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151109今川秀樹(札幌市消防局)病院実習は目的を持って

病院実習は目的を持って

札幌市消防局警防部救急課 今川 秀樹

今川 秀樹
いまがわひでき
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札幌市消防局警防部救急課

昭和57年4月 札幌市消防士拝命
平成8年5月  救急救命士資格取得
平成25年4月 札幌市消防局警防部救急課救急需要担当係長

救急救命士の生涯教育の一つに病院実習があります。

私は、この病院実習で特定行為の手技について経験を積むことに期待しておりました。しかし現実は、いつも外来ホールに多くの患者さんが搬入されてくるわけではないため、思ったほどの経験を積むことはできません。逆に患者さんが搬入されないときに、勝手の分からない環境の中で、自分が何をすべきかわからず、残念な実習で終わることもあります。皆さんの中にも、同じような体験をした方がいるのではないでしょうか。

救急救命士として数年が過ぎ、病院実習について医師や看護師に相談したときのことです。以前の病院実習の中で看護実習を受けたことを思い出し、これからの救急救命士病院実習にも看護実習を取り入れたいと病院側に要望しました。ところが、看護師から実習の目的や看護実習が救急業務にどう活かされるのかと尋ねられても、私は明確に答えることができませんでした。当然、病院実習の中に看護実習を取り入れてもらうことはできませんでした。

初めは「なんて非協力的な人たちなのだろう」と思いましたが、ふと振り返ると実習の項目ばかりに囚われ、看護実習は単に実習時間を埋めるために提案しただけだったことに気づかされました。看護実習の内容は傷病者との接し方として大変参考になるものでした。しかし私は、救急業務における問題点や課題を整理しないまま看護実習を提案したため、看護実習がどれだけ救急隊員の役に立つのか病院側を説得することができませんでした。

自分の思慮の足りなさを反省した私は、外来ホールや病棟内など、院内で何が行われているのか、終日見学してみることとしました。院内でずっと立っていることは大変つらいことでしたが、入院患者の急変時の対応や医師や・看護師の処置を細やかに見ていると、救急業務の参考となることが多くあることがわかりました。見学しているうちに湧いてきた疑問も、自然と質問できるようになり、また、スタッフから声をかけていただき様々な処置に携わることもでき、充実した実習を過ごすことができました。

救急現場と病院で行われていることは異なりますが、病院実習は自らが抱える弱点や課題を克服するヒントを与えてくれるよい機会であります。そのヒントを現場に持ち帰り、工夫することで課題の解決につながっていくものと考えます。

救急活動での課題や問題点を一番わかっているのは救急隊員です。その課題や問題点を解決するため、しっかり目的や目標をもって充実した病院実習を過ごし、多くのヒントを掴んでほしいと思います。


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15.11.9/1:29 PM

主張
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