161106松田悌二(秋田県湯沢雄勝消防)「間違え方を、間違えない」
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161106松田悌二(秋田県湯沢雄勝消防)「間違え方を、間違えない」
松田悌二(まつだていじ)
所属:秋田県・湯沢雄勝広域市町村圏組合消防本部消防署
役職:消防署当直長
消防士拝命:昭和59年4月
年齢:51歳
救急救命士合格:平成10年11月
趣味:ロードバイクツーリング、料理など家事全般
私もいつの間にか、「先輩」と呼ばれる年齢となりました。先輩が居れば後輩が居るわけですが、その相互関係として次のようなことが思い当たる方も少なくないのではないでしょうか。とかく先輩達は後輩達に対し「今の若い者は」「生意気」「○○世代」などと言い放ち、一方で後輩達は「小うるさい年寄り」「昔気質」「時代遅れ」などと声を潜めていたりして・・・。これは、今に限ったことではありません。先輩達にも、もちろん若く後輩であった時代があり、それぞれの時代でも同様のことがあったからです。つまり多くのことは繰り返され、先輩と呼ばれる年の者は経験しているのです。
その経験のひとつとして、私は「間違え方を、間違えない」ということをお伝えしたいと思います。現代社会では以前に比べて時代が変貌する速度が増し、私達消防は複雑多様化する各種災害・事故に対して、滞ることなく戦術、現場活動を変革させ続け最前線で立ち向かっています。消防法第1条に則り、職務を全うするために間違いがあってはならないのです。しかし、どんなに時代が変わろうと、どんなに優秀な者であろうと、人間は間違えます。間違えない人間はいないのです。で、あるならば、間違いに如何に対応するのか!しか有効な手立てはないのです。
もちろん、私も30年ほどに渡り数え切れない間違いをしてきましたし、同僚の間違いも目にしてきました。その上で言えることは、なんら特別なことではありません。まず、己を知ることです。自分に対して様々な「?」を抱き、「できる?」「知っている?」「大丈夫?」「本当に?」と自問自答することで知ることができるでしょう。そして、「?」を解消するために、自身や所属、地域といった井の中から飛び出すことです。常日頃から少しでも多くの知識と技術を自身に取り込み跳躍力を身に付け、Off the Job Trainingや各種学会などへ飛び出す。これにより最新の情報や今の自分(所属やチーム)の長けているところ、足りないところが見えてくるでしょう。見えてきたせいで、愕然としたり、落ち込んだりすることもあるでしょうけれど、そこが出場現場でなかったことに感謝し、気付いた自分を褒めてあげれば良いのです。井の外へ出るのは幾ばくかの資金が必要ですが、それぞれ楽しみが見つけられると思います。楽(らく)ではいけませんが、楽しい方がより効率よいはずです。私は活動的でも社交的でもありませんが、自ら変革しようと意識し自分なりに(少しは)楽しめるようになったと感じています。情報のアンテナを今よりほんのちょっと張り出し、そういった環境に身を投じ、多くの同僚と共有することです。次に、現状だけではなくその先を意識し考える。そうすることで、間違えたときの対応策が増え、どの策を講じるかの判断決定をすることができるようになります。つまり、間違いを無かったことにしたくてもできるはずが無いので、間違いの影響を最小限にとどめられるようにする。言い方を換えると適切、最善なフォローができるようになるということになります。
ただし、間違いから目をそらさず、事実を認識することは言うまでもありません。
ですから、どうか繰り返されてきた時代の中で先輩達が経験してきたことに目や耳を傾けてください。自分には必要ない、合わないと思うようなことでも何かしら得られるものはあるはずです。
私は、また間違えるでしょう。それをどうするのか、どうなるのかはその人次第なのです。
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16.11.6/3:02 PM
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