101118「偉い」ってなんだろう?

 
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101118「偉い」ってなんだろう?

作)ろんどん

 自分の勤務する町は田舎の小さなA町。救急救命士の病院実習は地元A町の病院と、B市にあるメディカルコントロール中核医療機関で実習させてもらっています。そこで疑問に感じたことがありました。

 B市の病院で実習をさせてもらっているときのことです。白衣で実習させてもらっているので、病院を訪れる一般の方は自分たちのことを病院職員として見ます。CT室で救急搬送された患者さんの画像診断をしている最中、その患者さんとは関係の無い一般の方がCT室に来て「すみません。先ほど検査を受けたのですが、書類を受け取っていないのですが?」と質問されました。自分が近くにいたので対応、ですが書類の事などわかるわけもなく待ってもらい近くにいる検査室の方に確認しました。そしたら、検査室の方もわからなかったようで「看護師さん一般の方が来ていますよ」と声をかけてくれました。看護師さんが担当だったようで対応してくれました。CT室は小さな部屋なので、自分が対応しているのを看護師さんは見ていたはず。それなのになぜ担当の看護師さんは対応しないのかなあ?と疑問に思っていたら検査室の方が自分に「あの看護師さん偉い人だから、声がかかるまで行動しない人なんだよ」と小さな声で教えてくれました。

 昼近くになり昼食の時間。院内の食堂に行きました。たまたま同じテーブルの向かいに座った方が、備え付けてあるお茶のポットの操作がわからず困っていました。自分は操作法がわかっていたのでお茶を入れてあげると、向かいに座った方が「ありがとうございます。偉い先生にお茶を入れてもらって、どうもすみません」と言われました。「いえいえ、自分は全然偉くないですから気にしないでください」と答えました。白衣を着ていると一般の方は医師や看護師に見えるんでしょうね。

 無事実習も終わり、JRの特急に乗り帰ることになりました。その特急の車内、車掌さんが乗車券のチェックに来ました。通路を挟んで斜め横の席に座っている方、どうやらどこかの会社の重役っぽい方でした。車掌さんが「乗車券を拝見します」と言うと、その重役っぽい方は、乗車券をポケットから出して車掌さんには渡さず備え付けのテーブルの上に置きました。車掌さんはその行動を見ていなかったようで「すみません乗車券は?」ともう一度聞き直したら、重役っぽい方はテーブルの上に置いた乗車券を指差すだけでした。その後、途中の駅でその重役っぽい方が下車。ホームにはその方を迎える方が沢山来ていました。たぶん相当な重役の方だったんだろうなと思って見ていました。

 この実習では「偉い」とはどういうことなんだろうと考えさせられました。自分が担当でも声がかかるまで行動しないこと、白衣を着ていること、相手の事など考えない自分勝手な行動をすること等が「偉い」のかなあ?自分が思い描く「偉い」はもっと別なことのような気がします。


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11.9.18/8:11 PM

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