二相性除細動器

 
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基本手技

二相性除細動器

レールダル・メディカル・ジャパン:ハートスタート4000の解説書から

現在日本で認められている車載二相性除細動器はこの機種しかない。

除細動は全ての心筋の電位を一瞬に同じくする事によって規則正しい収縮を戻すと考えられている。

「暴れている子ども達に雷を落として整列させるようなもの」(林雄二(帯広))

図1・2:単相性除細動器の出力パターンには二つある。

エネルギーは図1では円錐の面積、図2では台形の面積となる。同じ出力を放出するとして、

図1は除細動効果が大きいが、最高電圧も大きい(3200V)ため心筋ダメージが大きい。

図2は最高電圧が小さい(1200V)ため心筋ダメージは小さいが、除細動に時間がかかり除細動効果が小さくなる。

乱暴な例えだが、図1は大きな雷で一瞬にして整列させるが子ども達にもダメージを与え、

図2では諭すように説教するがそのそばから子ども達がまた暴れ出す、といったところか。

図3:二相性だと電流が往復する。

ハートスタート4000の優れているところは、通電前の短時間に患者の抵抗値をはかり、その患者にもっとも有効な出力波形を計算し放電するところにある。

図4:実際に臨床で使われた結果では、初回ショックの洞調律回復率は二相性96%(青い柱)であり、単相性とは比べ物にならない。自発的血流の回復率、ショック後の経過も優れている。

図7:心筋ダメージを示す心電図変化は除細動出力に相関する。出力が小さい方がいい。

図8:退院時の精神・神経学的評価も二相性のほうが優れていた。


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