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181125応急処置アップデート(9)偏頭痛

健康教室 2018/12月号

応急処置アップデート

偏頭痛


ポイント

1.小児では両側が痛む

2.頭痛を感じない偏頭痛もある

3.早めに服薬


今回は偏頭痛です。小児の頭痛の原因は風邪や副鼻腔炎(蓄膿症)が多く、原因の疾患が治癒すると頭痛も消失します。原因のない頭痛として国際分類では1.偏頭痛、2.筋緊張性頭痛、3.三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛が代表的)の3つが挙げられています(図1)。

このうち3.三叉神経・自律神経性頭痛は小児では経験しません。また2.筋緊張性頭痛は小児では生活習慣の改善などで改善します。

1.偏頭痛の種類

小児の偏頭痛は両側の前頭部・側頭部の拍動性疼痛が普通で、思春期終わりになると片方が痛むようになります。前兆のあるもの、前兆のないもの、身体症状が目立つものの3種類に分けられます。

(1)前兆のない偏頭痛

・頭痛の持続時間は小児で2-72時間、成人では4-72時間

・拍動性,中等度から重度の頭痛

・日常動作で頭痛が増悪・頭痛発作時に悪心、嘔吐、光と音への過敏がある。

・月経と関連することが多い

(2)前兆のある偏頭痛

数分持続する片側性完全可逆性の視覚、感覚、その他の神経症状がどんどん強くなった後で頭痛が生じるものです。前兆があったりなかったりする患者もいます。さらに頭痛の数時間前、長ければ2日前に頭痛の予兆を感じる人もいます。

・前兆症状がある

・前兆症状は初めの5分間で増強し50-60分持続する

・前兆症状の少なくとも一つは片側性である

・前兆に伴って、または前兆発現後60分以内に頭痛が発現する

前兆発現として多いのは閃輝暗点で90%に見られます(図2)。次が感覚障害で、ちくちくとした痛みであったり感覚鈍麻であったりします。

(3)周期性症候群

偏頭痛を併せ持つ患児かこれから偏頭痛を発症する可能性の高い小児に見られる病気ですが成人に起こる場合があります(図3)。

・再発性消化管障害:腹痛、不快感・悪心、嘔吐のいずれか1つ以上を繰り返す。周期は予測可能である

・腹部偏頭痛:小児に見られる。中等度から重度の腹部正中の痛みを繰り返す。2-72時間持続する。発作中に頭痛は起こらない

・良性発作性めまい:前兆なし。発現時に最大のめまいを感じ、数分から数時間で自然緩解する。

・良性発作性斜頸:発作性・反復性の斜頸で、顔面蒼白、易刺激性、倦怠感、嘔吐、運動失調などを併発する。

2.治療(図4)

(1)生活習慣を整える

早寝早起きと、睡眠時間を増やすことを勧めます。精神的な負荷が頭痛発生に関与しますので、負担となっていること(部活動や塾など)をやめることも必要です。食物や光などの誘因を認めることがありますので、誘因が見つかる場合はそれを避ける(席を移動するなど)ようにします。

(2)薬剤

痛みの出始めに十分量を服用することが必要です。発症から時間が経つほど聞きづらくなります。そのため学校に頭痛薬を持参するようにします。

イブプロフェン(商品名ブルフェン・イブ)もしくはアセトアミノフェン(商品名カロナール、バファリンルナJ)が一般的です。スマトリブタン(商品名イミグラン)点鼻薬とリザトリブタン錠剤(商品名マクサルト)も有効です。

偏頭痛で頻回の頭痛で生活が困難な患児には予防薬の処方も考慮されます。使われるのは高ヒスタミン薬であるシプロへプタジン(商品名ペリアクチン)です。抗てんかん薬であるトピラマート(商品名アメル, 保険適応外)やバルプロ酸(商品名デパケン)も考慮されますが症例数の蓄積が十分ではありません。

参考文献

国際頭痛分類第3版(2015年)

巻爪から指をガードして痛みを和らげるゲルサポーター
シェンペクスFA9001

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