月刊消防 2025/11/01, 47(11)通巻557、p79
月刊消防「VOICE」
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ヒーローの姿に学ぶ、プロフェッショナルの在り方
私には現在3歳になる娘がいます。最近は一緒にディズニー映画を観る機会が増えており、なかでも『インクレディブル・ファミリー』は、娘が繰り返し観るほどのお気に入りです。自然と私もその映画を何度も観るようになり、物語の中で描かれるヒーローたちの姿から、仕事におけるプロフェッショナルとしての在り方を考えるきっかけをもらいました。
特に心に残っているのは、主人公の一人であるイラスティガールが、マンション内で犯人を追う緊迫したシーンです。犯人は非常ベルを鳴らし、その混乱に乗じて逃走を図ります。住人たちが一斉に部屋から飛び出すなか、イラスティガールは人混みを縫うようにして犯人を追いながらも、ぶつかった住人に「ごめんね」と声をかけ、「けがはない?」と振り返って確認するのです。
このような切迫した状況の中でも、周囲の人々への気遣いを忘れないその姿に、私は“プロフェッショナルとはどうあるべきか”を考えさせられました。現実の救急現場においても、緊急性の高い対応が求められる中で、私たちはどれだけ冷静に、そして関わるすべての人に心を配った行動ができているだろうか――自問する機会となったのです。
もちろん、私たち救急隊員にはイラスティガールのような特殊能力はありません。しかし、119番通報をして助けを待つ市民にとって、私たちもまた“ヒーロー”のような存在です。彼女の身体の柔軟性は、あらゆる現場に柔軟に対応する力の象徴のようにも感じられます。そして、家族や仲間を守ろうとする強い使命感は、人命を預かる私たちの姿勢と重なります。
私自身もまた、どんな現場でも冷静さと柔軟さを保ち、強い使命感を持って行動できる救急隊員でありたいと考えています。どれほど慌ただしい状況でも、目の前の一人ひとりに対して思いやりを持ち、細やかな気配りを忘れないこと――それこそが、本当の意味で信頼されるプロフェッショナルの姿だと思うのです。
この思いは、自分一人の中に留めておくべきではありません。これから共に活動していく後輩や仲間にも、日々の行動を通して伝えていきたいと感じています。現場での一つひとつの振る舞いが、自然と学びの機会となるように。そうした積み重ねが、やがて組織全体の質の向上につながると信じています。
人の命と向き合う責任の重い現場だからこそ、スキルや知識に加え、人としての在り方にも真摯に向き合い続けなければなりません。私はこれからも、プロフェッショナルとしての誇りを胸に、次の世代へとその姿勢をつなげていける救急隊員を目指していきたいと思います。
プロフィール
名前 :小山 真弘
読み仮名 :こやま まさひろ
所属 :加古川市東消防署野口分署
出身地 :兵庫県加古川市
消防士拝命年:平成23年
救命士合格年:平成29年
趣味 :スポーツ観戦、ゴルフ、読書
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