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2200624_VOICE#71_目覚めよ、若き才能

月刊消防 2021/12/01, p77

月刊消防「VOICE」

プロフィール

①名前(読み仮名)

萩原裕基(はぎわらゆうき)



②所属

兵庫県西はりま消防組合相生消防署消防第1課救急係(令和3年度現在)



③出身地

兵庫県相生市



④消防士拝命年

平成26年



⑤救命士合格年

平成26年



⑥趣味

サッカー、ドライブ

みなさんは、若手職員への育成指導はどのように行っていますか?私は、後輩の救急隊員育成に携わる機会が多くあるため、その「育成」についてお話させていただきます。



「育成」というと、堅苦しく難しいイメージがありますが、いかに相手の「興味」をそそるかが重要ではないでしょうか。

私の勤務する消防署は、決して救急出動が多いわけではありません。また、隊員により出動件数もまちまちであり、数少ない救急現場で後輩隊員がいかに興味を持って効率よく経験が積めるかを模索していました。そこで私が行きついたのは「百聞は一見に如かず」ならぬ、「百見は一経験に如かず」です。これは、読んで字のごとく、100回見るよりも1回経験する方が効果的であるということです。



例えば、テキストに掲載してある内容を100回見て覚えようとするのと、1回経験するのとでは、どちらが記憶に残るでしょう。私は、圧倒的に後者であるように感じます。私自身、初めて救急出動した現場の状況、傷病者の状態、現場で先輩から受けた指導や助言は、7年が経過した今でも鮮明に記憶しています。それほど経験した内容は、忘れることなく鮮明に記憶されるものです。

若手隊員は、現場で即戦力として期待される一方、現場経験の少なさから、現場で戸惑ってしまうケースがあると思います。しかし、それは当たり前であり、私自身もそのような経験をしたことが多くあります。その戸惑いを少しでも減らすため、後輩隊員と一緒に出動する際は、「現場から学ぶ」ことをモットーにしています。現場で経験した雰囲気や症状などは非常に有用で、テキストからは読み取れないものも多くあります。



しかし、本当に重要なのは、その内容をフィードバックして、救急出動するチーム全員で共通認識を持つことです。フィードバックを実施する際には、各種テキストや各々が準備した資料を持ち寄り、活動中の良かった点や、疑問に思った点など様々な視点から意見を出し合います。そうすることで、その内容に少しずつ「興味」が生まれます。「興味」をもって学ぶのとそうでないのとでは、脳にインプットされる情報量に明確な差が生まれるのは言うまでもありません。それらの情報を集約して方向性を定め、認識を共有することで、同様の事案に出動した際には、冷静、迅速、的確な活動へと繋がり、結果的には各隊員の成長に繋がります。



少ない現場経験をいかに大事にし、次の現場へどう活かすのか。ただ単に自分の知識を押し付けるだけでは相手の成長は見込めません。ベテラン、中堅、若手の枠を取り払い、自分の意見や思いを言葉で発することのできる環境を作り上げ、相手の考えを汲み取り、評価することが大切です。このフィードバックを通して、私自身も後輩隊員からたくさんのことを学ばせてもらいました。今後も、後輩職員の内に秘められた「若き才能」を刺激し、目覚めさせるため、経験を活かす研修に取組んでまいります。

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