月刊消防 2022/04/01, p72
月刊消防「VOICE」
目標と経験
名前:大島 悠(おおしま ゆう)
所属:福岡県 宗像地区消防本部 福津消防署
出身地:福岡県福津市
消防士拝命年:平成23年4月1日
救命士合格年:平成31年4月10日
趣味:野球
所属:福岡県 宗像地区消防本部 福津消防署
出身地:福岡県福津市
消防士拝命年:平成23年4月1日
救命士合格年:平成31年4月10日
趣味:野球
消防士拝命から10年が経ち、現在は救急小隊長として日々の救急現場に出動しています。小隊長となり2年目と、まだまだ経験の浅い私ではありますが、向上心を持ち意識高く仕事に取り組んでいるところです。
皆様ご存じのとおり、救急活動だけでなく消防の活動は、1人で実施するものではなく、連携が常に必要となるため、個々の能力も大事ですが、それ以上にチームワークが必要不可欠です。そのため、隊の活動能力向上と連携強化に繋げるため、小隊長になってから後輩育成を積極的に取り組んでいます。手技や観察等の反復訓練を実施することも大切ですが、その前に、後輩を育成する上で意識改革を重要視しています。何事においても「意識」はとても重要であり、成長過程に関与してきます。だからといって、ただ漠然と意識を高く保てと言っても、すぐに変わるものではなく、意識改革をするうえで伝えていることが2つあります。それは、「目標」と「経験」です。
リンク
まず、目標についてですが、目標を語る上でまずこの言葉を紹介します。「意識の差が結果の差、目標あって結果あり」。これは、オリンピックにも出場したレスリングの登坂絵莉選手が指導者である父の教えで大切にしていた言葉です。意識は目に見えないものですが、態度や行動に表れ、そして、その積み重ねが結果に表れること、ただ漠然と努力するのではなく、目標を設定することで、その道しるべになることが語られています。私自身、幼少期から大学まで野球に打ち込んできた中で、目標を持って意識して取り組む選手と、日頃の練習をこなすだけの選手では、成長に大きく差が出たことを何度も見てきました。また、目標を持っている人は、+αを自ら吸収しようとする探求心が自然と身についており、どの環境に置かれても向上心を持ち成長します。だからこそ、後輩たちには理想の救急隊像や救命士像を思い描くだけでなく、目標とする先輩を見つけるように伝えています。
次に、経験についてですが、経験こそが人にとり万事の教師となるものだと言われるように、私は経験に勝るものはないと常々感じています。机上での勉強はもちろん大切なことですが、現場で視たこと、聴いたこと、感じたこと、現場での経験1つ1つがどの教材にも勝る経験値となります。救命士や小隊長になってから、1件1件の救急事案と向き合うのではなく、隊員として乗ったその日より、すべての経験を財産とするように日頃から後輩たちに伝えることで、後輩たちも1件に対する取り組み方が変わり成長に繋がると確信しています。
これからも「目標」と「経験」を大切に、後輩たちと共に自分自身も成長し、信頼される救急隊を目指していきたいと思います。
リンク
コメント